同級生讃歌2<高校編>

 一昨年、わが高校の同級生(同期生)も古稀を迎え、首都圏在住者に古稀記念のアンケートを実施した。およそ50名から回答があった。
1.あなたにとって「古稀」とは? 
*無事古稀を迎えられたということ。*今ここに生あることは奇跡に近い。*恐縮。*全く実感がない。*人生の通過点。*人生の節目。*これからの人生、いかに生きていくかを考える年に。*第三の人生「自分探し」最終章。*エポックメーキング。*身体との分かれ道(健康不安)。*健康が大事、そして友人を大事に。*「トシ」です。
2.「古稀」以降、どう生きる? 
*第三の人生の始まり、現在思索中。*自在に。*社会の進歩に役立つ生き方。*今まで通り。*文学作品の研究を計画的に進めたい。*ボランティアなどで社会と関わりを持っていく。*自分の障害とたたかいながら明るく、自分らしく。*就心。*執着心を捨て、行雲の如く行け、とか。
 *迎えが来るまで平凡に。*「無農薬・有機肥農業」(環境にやさしい自然農法)にチャレンジ。*自分の足で歩く。*がんばらないであるがままに。*生涯現役でいきたい。*健康・趣味・ボランティア。*淡々と普通に。
3.座右の銘はいかに
*忘己利他 *至誠天通 *不踰矩 *和而不流 *情けは人の為ならず *明朗に、そして人のやさしく *寛容 *色即是空 *自然体 *あるがままに *自己実現 *人との付き合いを大切に *“ありがとう”のことばを忘れずに *平常心 *不屈
4.今、最大の関心事は?
*暮らしの安定 *社会保障の充実 *日本経済の行方 *子どもの結婚 *孫達の日々 *政権交代 *地球の温暖化 *認知症の進行をいかに止めるか *エッセイを書くこと *この不景気 *家族の健康 *蔵書など持ち物の整理(遺言は済み) 
 *健康で今の趣味をいつまで続けられるか *これからどう生きていけばいいか *自分のこの世との別れ方、夫の見送り方 *白内障の手術 *肥満とのたたかい
5.取っておきのことば
*感謝 *忍耐力 *なるようになる *雲の如く高く 雲の如く輝き 雲の如く自由に *明日ありと思う心のあだ桜夜半に嵐のふかぬものかは *夢 *一人で見る夢は夢にすぎず、一諸に見る夢は現実 *懺悔文
 以上、たくさんあるアンケートの回答から抜粋して紹介したところであるが、古稀を迎えたというわが同級生の概況を把握してもらえただろうか。特に同世代の方々に・・・。全体としては、「淡々としている」感じである。決して構えるそぶりもなく「今まで通り」とか「現状のまま」と言ってはばからない。
 「不踰矩」ということばが象徴的だ。矩、つまり、のり(法)を超えてはならぬ、と。それでよさそうだ。今さら鍛えようにもない心身だし、常識を超える必要性もないだろう。
 ただ一つ言えることは、「生」に対して、こんなに長生きして「恐縮」とか「信じられない」「よくぞ長生きしたな」と多くの人が言っている。昔ならともかく長寿社会の現代なのに、まだ古稀にしては実に謙虚である。それは、生かされてきたことへの深甚なる謝辞なのかも知れない。時には辛酸をなめながらも修羅場をくぐり抜け、真贋を見極めた人生への讃歌でもあろう。 
 遠慮することなくもっともっと長生きしていこうではないか、我が同級生!