断捨離〜私なりの
ご多分に漏れず、我が家は不要・不適なモノに占拠され、ヒトがその間を遠慮しながら窮屈そうに行き交っている。また、書斎なるものはあるが本などのモノが邪魔してまともに使えないので、他の部屋を書斎代わりにしている。遂に、来るべき時がきた。断捨離だ。
まず、手をつけはじまめたのが書籍類のうち学生時代のものと仕事(教育)関係のもの。前者は少ないが、捨て難くず〜っと保存していた。しかし、手に取って読んだことはなかった。授業やレポートで使ったテキストや資料、ノートなどである。
専攻は19・20世紀英米文学だったので、主にホーソン(Hawthorne), アーヴィング(Irving), エドガー・アラン・ポー(E. A. Poe), オー・ヘンリー(O.Henry), スタインベック(John Steinbeck), バートランド・ラッセル(B. Russell), ロバート・スティーヴンソン(R. Stevenson)、オウコナー(F. O'Connor) などの作品。
この中から、私は教授がお気に入りのスタインベック(1902〜1968)を選び、何冊か読んでレポートにまとめて単位をもらった。 主に、作者の故郷南カリフォルニアSalinas Valleyの自然の新鮮な息吹を感じさせるThe Long Valley(「長い谷」1938) と彼の思想的関心、素朴な人間への愛情、田園風の透明な叙情性を描いたGrapes of Wrath(1939) に絞り、スタインベック作品を総括した。
後者はご存知の通り「怒りの葡萄」として映画化され人気を博した。スタインベックは当時まだ存命で、主にこの作品が高く評価されノーベル文学賞を受賞(1962)した。感慨一杯のテキストばかりである。茶褐色になりいかにも古本の感じであるが若き日の思い出が詰まっていて10冊程度はまた、しまうことにした。その他、ノートも含め捨てた。
教育関係の書籍や資料はかなり思い切って捨てた。教育法規に関するもの、学校経営・指導法に関するもの、いじめや教育相談など生徒指導関係のもの、教科関係のものなどの書籍や資料と、雑誌的なものとして、現代英語教育(研究社)、英語教育(大修館)、児童心理(金子書房)、教育の森(毎日新聞社)などの月刊誌。
後輩諸氏に読んで欲しいようなものもあったが、敢えて捨てることによってかつての仕事への執着から離れる気持ちになれた。重さにして70キロはあった。それでもまだ、手元には各種辞書類はたくさん残った。まだ思い切りがよくないように思う。
- 作者: やましたひでこ,マガジンハウス
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