ボケナイ人

 当時、国立嬉野病院長であった小川良治医師(80歳時)が長年診てきたたくさんの患者のデータから、「早くボケル人」「ボケナイ人」それぞれ10箇条を唱えた。これを目にしたのはもう10数年以上前である。その当時は、ボケルとか痴呆という言葉がよく使われていた。
<早くボケル人・10箇条>

(1)オーイ、オーイと何でも奥さんに頼る人 (2)頑固一徹、融通のきかない人 (3)無口、無表情ムッツリ屋 (4)無趣味、趣味は仕事という人 (5)真っ正直すぎる人 (6)なまけ者、無精者、ものぐさな人 (7)無信仰、神棚・仏壇なく神社仏閣寺に参らない人 (8)孤独の人、友なく交際しない人 (9)無神経、わがままな人(10)チャランポラン、食っちゃ寝食っちゃ寝の人

 私自身、すべて心当たりがある。特に、(1)(2)(5)(6)(9)あたりを妻に指摘されているので深刻だ。他人に指摘されても、それを素直に認めない、認めたくないことがさらに問題だ。少し、解説すると、(1)は、「オーイ、オーイ」とは言わないが、食事、洗濯、掃除等は頼っている。少し手伝うくらい。
 (2)は、妻が最も嫌うこと。なのに、ついつい頑張ってしまう始末。(6)は、朝寝坊が最たること。(9)は外面はいいが、家ではだめ。すべて自分でも内心は認めているが、頑固なるゆえ改まらない。それ以外はどうかというと、「まあまあ」という程度。
<ボケナイ人・10箇条>

(1)常に感謝し、ゆとりのある人 (2)本や新聞を読み、日記をつける人 (3)手足をよく使う人 (4)人の世話をする人(戦友会、クラス会、仲人など) (5)ハイカラさん (6)酒をたしなみ、歌をうたうなど陽気な人 (7)友人が多く、付き合いの良い人 (8)趣味が多く、スポーツを好み、続ける人 (9)奉仕の精神旺盛な人 (10)異性に関心を持ち続ける人

 自己評価すると・・・・。 できていないのは、(1)(5)(6)(9)(10)。いずれも、それらしいことはできても徹底していないし、不十分である、と思っている。(1)は永遠の課題である。これでいいという上限がないから。
(5)は、ドジョウはドジョウでしょうから。(6)は、酒に弱くそういう機会が少ない。(9)人生の恩返しもっともっとやらねばと思っている。(10)そうありたいと強く願望。
 その他も「まあまあ」の域を脱していないが、(7)(8)あたりは頑張っている方で、他のことにも連動しそうなので維持発展するよう努力したい。なお、(2)は、日記をつける代わりに、このブログを始めた次第。
 小川医師は、それぞれ「6項目が目安」と記している。それぞれ相殺すると果たして自分はどちらなのか迷ってしまう。消去法よりも、<早くボケル>ようなことは改めるとか、一つでも<ボケナイ>ことを増やし伸ばしていく、という考え方がいいのではないか。そして、「認知」とか「自覚」することを恐れず、おろそかにしないことも肝要なのかも知れない。