街おこし「3条件」

 昨晩のこと、近隣の市街地で長年コンビニ(昔は酒屋)を経営している40代の青年と一杯飲みながら雑談した。話題は、衰退する一方の商店街のことに。彼は仕事の傍ら消防団員、商工会員、祭りの神輿担ぎ、その他ボランティア活動をしている。
 突然、街おこしには「三者(さんもの)」が必要だ、と言い出した。「三者」とは、若者、ばか者、よそ者、だという。以下、彼の言い分。
 「若者」とは、商工会、町会、お祭り実行委員会の役員等に若者をどしどし登用すれば、時代にあった企画ができて、若者たちも街に出てくるはずである。しかし、役員は長老ばかりで、すべて昨年通り。「ばか者」とは、お祭りやイベントのとき、それを盛り上げるためにばか騒ぎできる人が必要だ。これができるのも若者だ。
 もう一つ、「よそ者」とは、今は、どこの街でも地元出身者よりも他地域からきて住み着いている人の方が多い。この人たちを役員等に充てれば新たな発想で街おこしに貢献することになるはずなのに、残念ながら、いつまでもよそ者扱いをしている。地元で固めようとしている。ちなみに、マンション住まいの人対象にあるイベントを催したら喜んで多数参加した。
 なかなか説得力のある話だ。地方都市の商店街は「シャッター街通り」などと揶揄されて久しい。この「3条件」を真摯に受け止めて街おこし策を再考してはどうか。また、長老が役員であることをすべて否定するつもりはない。むしろ、ご苦労様と言いたい。ただ、彼が言う「3条件」を取り入れていく発想が乏しいということだと思う。
 実は、これは商店街に限ったことではない。世には同窓会、退職会、スポーツ・文化団体、老人会などいろんな会や団体がある。そこには役員や事務局員がいて、よく耳にすることは、「若い人が入会しない」「若い人の参加が少ない」と嘆く言葉。一般に、若い人だけでなくこれらの集まり状況は良くない。何が原因か。どうすればいいか。
 私自身70代で、ある会の会長をしている。会員は60代以上が多い。会の存続・活性化のために期待する4、50代はほとんどいない。その世代の人達から見ると私は世代・年齢共に隔世そのもの。[入会しよう」という気持ちは湧かないだろうと思う。そこで、考えていることは会員の中で4、50代の人を役員にして、その世代との繋ぎ役をしてもらう。会長もせめて60歳前半の人にやってもらう、というもの。
 高齢者は人生経験があり、時間もある、ということで役員等を引き受けている場合が多い。会の発展のために尽くしている人も多い。しかし、長居は禁物だ。人材は豊富であることを認識すべきである。
 街おこし「3条件」は貴重な話であった。政界や省庁、自治体、会社等の組織体活性化にも役立つこと間違いない。