オーストリア、スキーの旅(2)

 今回はサンクト・アントン(St. Anton)を紹介しよう。ここは、チロル州とフォアアールベルク州の境目にある村で、国際的には「アルペンスキー発祥の地」として知られている。標高1304m,人口約2600人と小さな村であるが毎年110万泊以上の観光客の宿泊数を記録するオーストリア屈指のリゾート地である。
 スキーの旅最終日は朝から快晴に恵まれ、サンクト・アントンへ行くことに決定。アールベルクでケーブルやゴンドラのターミナルの最高峰ヴァルーガ山頂を極めるのが目的である。
 サンクト・アントン(1304m)から大型ケーブルで約20分ガルツィック山(2185m)へ。そこでさらにケーブルに乗り換えやはり20分位でヴァルーガグラット山(2650m)へ。そこからは6人乗りの小さなゴンドラに乗りいよいよヴァルーガ山頂、2811mへ。ついに来たぞ、ヴァルーガ山頂!360°のパノラマ展望にみんな興奮気味。白銀の山々と真っ青な空のコンストラクションがまぶしい。

山頂へ向かうヴァルーガグラトット駅   ゴンドラ終点駅が見えるヴァルーガ山頂

サンピラー現象の白銀の山々       ヴァルーガ山頂を極めてご満悦の仲間たち

 ヴァルーガ山頂はゴンドラ駅と展望台、電波塔があるものの60平方メートル位のスペースしかなく裏側は絶壁。よくぞロープウエイをかけたものである。あの絶景を世界中の人々に見てもらいたい一心なのかも知れない。その山頂付近からのスキーもすばらしかった。途中急斜面はあるが中級の滑りができれば安全なようにコース整備されている。これにも感心した。
 レッヒ同様に、ハンネス・シュナイダーたちが滑ったであろうサンクト・アントンのスキーは生涯最高の思い出になるに違いない。−20°以上になるとダイアモンドダストに太陽の光が当たり発生するという幻想的なサンピラー現象までもが我がオーストリアスキーの旅に華を添えてくれた。さすがオーストリアいや世界のスキーメッカである。