3.11を前に、Kさんから心痛のたより

 きょう、東日本大震災1年を迎えた。ここ首都圏は、くもり時々晴れ、肌寒い一日だった。数日前、岩手県陸前高田市のKさんから便りが届いた。同市は津波により壊滅的な被災に遭っている。Kさんは自宅こそ辛うじて津波から逃れたものの、避難生活を余儀なくされ、その上、多くの親戚の人、友人、知人、教え子たちを亡くし、新年を迎えて一枚も年賀状を書けなかったほどに心を痛めている。Kさんは高校の優秀な同期生で、地元近隣の元中学校教師である。
 
 前略 こちらもきょうは午前中雨降りでしたがいくらか春めいています。今年の冬は毎朝氷点下を更新し、積雪も多く雪かきを今までにない位やりました。今年ぐらい暖かい春を待ち望んだ年もありません。3月11日を前に一周忌の法要を行う人達も多く、毎週のようにお寺に出かけています。2月下旬には、高田一中時代の教え子たち9人の追悼供養をしました。陸前高田を担う働き盛りの54歳。痛ましくやり切れない気持ちです。
 次の週は仮設のお寺で親戚の法要。その仮設のお寺には、住職と奥さんと息子のお嫁さんの三人の遺影が飾ってありました。同じ日の午後にも親戚の息子夫婦の法要。そして、3日にはボランティア仲間のご夫婦と娘さんの法要。8日は近所の方でご主人がまだ行方不明だけれど一年になるから・・・・とご夫婦の葬儀が行われます。
 復興支援で仮設のお店があちこちにできて少しずつ活気は出ていますが、心の傷は癒えず深くなっていくようです・・・・・。
 
 Kさんと同じ思いで1年目を迎えた何千何万もの人たちに心より痛惜の念とお見舞を申し上げ、いつの日か少しでも安寧の時が訪れるよう祈るのみである。そして、歴史的にこの大震災を風化させないためにも事実を記録しておくことにしたい。 
1.発生 2011.3.11(金)午後2時46分 震源地 三陸
2.震度 M9.0 (史上最大)岩手県一関市の場合(内陸部)6弱
3.震度時間 193秒(3分13秒) *東大大学院理学系研究科の調査 (1)地震発生3秒:プレート初期破壊 (2)同40秒:海溝深部破壊 (3)同60秒:浅い部分破壊 *津波発生 (4)同60秒:海溝深部破壊 
4.被災状況 死者1万5854人 行方不明者3155人(3月10日現在)  避難者34万3935人(2月23日現在)

  最大39mの津波に襲われた宮古市の被災状況(昨年6月撮影)
 きょう2時46分、いろいろな思い、いろいろな願いを込めて夫婦で両手を合わせ祈った。地震津波、そして原発に真剣に対応し、未来に禍根を残さぬように・・・と。
 併せて、Kさんはご主人の通院の送迎や地元の人たちへの読み聞かせなどボランティア活動をしており、いつも頭がさがる思いであるが、ご自身の健康も大事にしていただきたい。