師走雑感

 今年もいろんなことがあったが残り10日となった。我が国では衆院選挙が終わったばかりで、26日には大勝した自民党安倍晋三総裁が首相に就任する。
 安倍さんは、選挙に勝たんがためにはなんでも言う人だった。景気回復のために日銀に金融緩和を強要。憲法改正して国防軍を。これは中国や韓国を意識してのこと。「野田首相はウソつき」「民主党政治は大失敗」と連日民主党の悪口。名指しで「ウソつき」は穏やかな言葉ではないし、品格がない。そして、なぜか原発については「当分検証した上で決める」と歯切れが悪い。
 自民党は大勝したが、心底喜んでいなかった。「民主党の敵失で勝ったにすぎない」ということを安倍さんもマスコミも認めている。政策の目玉は前述の通りだが、いずれもやってはいけないことばかりだ。実際に政権の座に就くと修正に追われるのではないか。
 そして、心配なのは安倍さんの健康だ。「もう大丈夫」とおっしゃるがそれは今は野党の身だからであって、首相になるといわゆる「首相病」が再発しないかと・・・。首相の座が心身ともにどんなに激務かはご自身が実際に体験しているので分かっているはずだ。杞憂に終わることを願うのみである。
 民主党がこんなに惨敗したのは、内部統制がとれなかったことに国民は「不安」を抱いた。鳩山さんの世間知らずの発言や小澤さんの分党活動により、「期待を裏切られた」という思いになった。政策的には、所詮自民党政権ができなかったツケを負わされたのに、なんでも出来ると思い込んだ認識の甘さがあった。
 民主党は寄合世帯とはいえ、むしろ民主政治を行うのにいい環境だったのに、そのよさを発揮できず負の部分だけが表出した。みんな「俺が、俺が・・・」と目立とうとしていた。党といえども組織体なのだから、最後は一つになるべきだ。民間会社や役所ではそうして組織を維持している。それが常識なのに野田さんもまとめ切れなかった。
 今次選挙の特徴として言えることは、当初、大・小の党が14にもなりその後合併して、12党になった。政策の違いが不鮮明で、また、合併先では相反していたりで、政策で投票することは困難だった。それでも選挙は終わり、自民党政権に。大臣もまた変わる。結局、国民も政権も組織がしっかりしている官僚を頼りにしたくなるのではないか。
 師走の雑感・・・・そんな政治・国会のもと賢明な日本国民はどんな考えで、どんな生き方をしようとするだろうか。他人ごとではない。ちょっぴり気がかりだなぁ。