2月、出逢った人々

 春風亭昇太 3日(日) 芝山新春寄席 「笑点」でお馴染みの人気落語家。相変わらず、自ら「結婚できない昇太」を売りにして、いい乗りで笑わせる。こちらもその話に乗って「どうして結婚しないのか」と心配したくなる。もう大台だというのに。もっとも結婚した時がその人の「適齢期」というからまだその時が来ないのだろう。最後は、古典落語「二番煎じ」。さすが人気に溺れていない証の大熱演だった。

 岡田安治展 6日(水) 松伏町中央公民館  岡田さんは埼玉県松伏町出身の日本画家。第52回院展(1967年)で「木立」が初入選。それ以降平成5年(1993年)まで連続入選を果たしている。日本を代表する日本画後藤純男氏に師事し、作風も大型の寺院を中心に後藤画伯の作品に近い。岡田さんはもともと地元中学校の技術科の教師で、絵画の趣味が昂じて院友にまで登り詰めた努力家である。一昨年ご逝去(87歳)され、この度、郷土画家を偲んで遺作展が開催された。
 Aさん 11日(月) 彼女は十代にしてご両親を亡くし、家計のために働く兄夫婦の子どもの世話をすることになった。友だちと遊びたい時でも、体調が良くない時でも必死になって、まるで我が子のように成人になるまで世話をし続けた。今は結婚をして子どももいる。気がつくと我が身の青春がとうに通り過ぎていた。でも、家計を守るためだったので悔いてはいないという。とは言え、「よくぞ頑張れた」と振り返り、「もう二度とはやれない」とも。わが物と思えば軽し笠の雪 其角。そんな気概で頑張れたのかも知れない。Aさんの人生の機微に触れる話だった。
 ふるさと会の皆さん 24日(日) 東京の市ヶ谷で岩手県南8市町のふるさと会の交流会が開催され、それぞれ活動報告や各ふるさとの様子を報告し合った。その中で、どこのふるさとの町も少子化が著しく、小・中学校の統廃合が進められている。我がふるさとでは、22年度の出生が75人、24年度はまだ54人で20人近く減少すると危惧している。在京ふるさと会として何ができるのか、しばし切歯扼腕。それだけにふるさとへの思いは単なる望郷の念では済まされない時代であることを再認識。

 今月もたくさんの人に出逢い、中には何十年振りの方との邂逅も。お陰さまで寒い冬を元気に過ごさせてもらい感謝に堪えない次第。