春暖に誘われて

 このところやっと春暖を思わせる陽気になったので、きのう、妻といつものコースを散歩した。散歩先はここ十年来、今風の地名にして主に住宅を開発している首都圏30kmの郊外である。西側真ん前には何の障害もないので富士山がよく見えるし、秩父連山、北に日光連山、そして南に池袋や新宿の高層ビルも見える。勿論、スカイツリーも。残念ながら、きのうは晴れていたが霞がかっていて遠方は見えず仕舞いだった。

    民家のボケの花               青空に映える白梅
 
 新興住宅地につき車道と歩道はこんなにもゆったりと設計されていて、子どもたちの通学も安心だ。住宅は欧米そっくりで、塀もない。若い世代の住宅のようだ。

「本日開店」という洋風レストラン。幼稚園の卒園式を終えた母子連れが早速ご利用。右はもう十年になるイタリーレストラン。ここでも大勢の母子連れが卒園を祝っていた。若い世代を対象にした店舗が目立つ。

 お馴染みの店舗も進出。日常生活には全く不自由はない。そのすぐ近くには宅地造成済みの広大な土地が新築を待っている。
 きのうの新聞に「生活の豊かさ、日本10位」の記事があった。国連開発計画が2013年版世界各国の生活の豊かさを示す「人間開発指数』を発表し、日本は世界で10位だったという。これは平均寿命、就学年数、1人あたり国民所得を総合評価した指数で、日本はいずれも世界平均を大きく上回った。187の国・地域が対象。1位ノルウェーで、上位10カ国は欧米先進国と日本、オーストラリア、ニュージーランド。ちなみに、おとなり韓国は12位、中国は101位だった。


 一戸建ての大邸宅や開発を見込んだ道路工事やスーパーを覗いたりすると「世界10位の生活」も「そうかな」と思いたくなるが、実感はわかない。この先本当に大丈夫なのか、という不安があるからだろう。
 現に、前述の調査では、社会・経済活動で女性が被る不平等を示す指数では日本は21位で、豊かさの内容がアンバランスだ。また、折しも、昨日、安倍首相が「TPP交渉に日本が参加する」と発表。その経済効果は、「すべてを相殺して+3兆円」になると言い切る。これも国論を二分する事案だけに不安が覗く。
 きょうも暖かい一日。あすからお彼岸。関東では寒さも峠を越した感じがする。