スキーの旅の楽しさ

 今シーズン最後のスキーの旅は、3月でもパウダースノウが期待できる北海道ニセコスキー場へ。ところが、21日からのニセコは、ゴンドラで山頂へ向かうも濃霧と風雪(ブリザード)で滑降が危険と判断して、そのままゴンドラで下山する有様。スキーは雪の大自然で楽しむスポーツゆえに当然のことではあるが・・・。ちなみに、22日の山頂は−10°、時おり、ブリザードで視界20m、積雪4m、だった。

 ニセコを象徴するのは羊蹄山(1898m)だ。滞在中、これ以上姿をみせてくれなかった。中腹の白樺(ニセコ町の木)はゆうに3mは埋もれている。 

  濃霧の合い間に中腹より低地で滑ることにした。リフトはわずか3本のみ。シーズン最後のスキーにしては残念だったが、部屋に帰ると仲間たちとスキー談義に花を咲かせたり、夜は楽しい食事がある。その全てがスキー。

 ところで、ここニセコ町は人口4,700人余で、スキー場中心の観光産業で成り立っている。近年は、オーストラリアはじめ、中国、韓国、ニュージーランド等からのスキーヤーが増えている。確かに、たまたま話しかけた外国人の一人は、オーストラリア人で日本人女性と結婚し、このスキー場で働いているという。ホテルの部長職のインド人は奥さんが札幌の人で、日本に20年以上も住んでいる。ニセコ町は英語、中国語、韓国語が飛び交う国際的な町になっている。

 ニセコスキー場は、アンヌプリニセコヴィレッジ、グランドヒラフ、ニセコハナゾノの4スキー場から成っている(NISEKO UNITED)。今回、私たちが宿泊したのはニセコヴィレッジのヒルトンホテル(右)。ここは、かつてのプリンスホテルである。つまり、この地域は西武系の国土計画が開発したスキー場であるが、今はすべて他の手に渡り経営されており、西武王国の栄光は何処へ。

 スキーの旅を通して、その土地の歴史や気象・産業などに接することができるし、外国人を含めいろんな人々と出会えて、心がはずむ。スキーの旅にはこんな楽しさがある。
 それにしても、今もこうしてスキーができるのは幸運だ。