世事に疎くなっていないか

 ここ数日間の新聞だけでも、軒並みに見過ごせないような「世事」が報道されている。にも関わらず、私自身驚いたり、疑問視したりしながらも何もできないでいる。詰まるところ、「世事に疎くなり過ぎていないか」と自戒しているのであるが・・・。では、どんな世事があったのか。
 <その1>*普天間返還、22年度移行*  沖縄県嘉手納以南の米軍6基地約1000ヘクタールを2022年以降に返還することで日米が合意。ただし、大半が「県内移設」を条件としている。しかし、沖縄県民は「県内移設」に断固反対していることから、この返還合意は実現不可能という可能性の方が高い。「無条件で、今にもすぐに返還」を願う沖縄県民にはますます気が遠くなるばかりの話で、国民の一人として慚愧に堪えない。
 <その2>*ミサイル破壊命令*  北朝鮮弾道ミサイル発射に備えて、日本の防衛大臣自衛隊に対して「ミサイル破壊命令」を発令。北朝鮮は、日本、韓国、米国を敵視し弾道ミサイル発射準備をしているという情報があり、自衛のためにこのような「命令」に及んだのである。いわば、「準戦争状態」にあることを国民に知らしめたようなものである。たいへんきな臭い情報に鑑み、もっと上手を行く平和外交はできないものだろうか、と嘆くのみ。
 <その3>*日銀の緩和策に市場沸く*  日銀の黒田新総裁が打ち出した新たな量的緩和政策に金融市場が反応して、円安(きょう、98円台)が進み、株価も13,000円台になった。国民の間にもう「景況感」が出てきたという。これは、いわゆる「アベノミクス」との連動。つまり、政府と日銀が「デフレ脱却」の視点で一致した政策であるというが、ならば、どうして今までやらなかったのか。ゆえに、これが本物かどうか、そして、日銀の独自性は守られるのか、今はなんとも言えない。
 <その4>*東電福島第1原発で汚染水漏水*  これは放射能を含んだ汚水を貯蔵する過程で大量に「漏水」していることが判明した事故である。貯水槽の遮水シートに穴があいていたり、遮水シートの継ぎ目に隙ができて漏れたのではないか?と見られている。としたら、なんといい加減な施工だろうか。それがほかの貯水槽でも起きているというから怖い話である。原発事故の再発防止に取り組んでいる矢先に起きた初歩的事故。なぜもっと完璧を期せなかったのか。それとも、日本人には放射能を扱う能力がないのではないか、と思いたくなる。

 決して他人事では済まされない世事ばかりだ。どうにかならないものかと悶絶。すべて人命や生活に関わることだから・・・。