Shopping

  これは、先月訪れた軽井沢のある大型スーパーマーケットで撮ったものであるが、買い物客の中に男性が多いことにあらためて気づく。

 私は、昭和40年代に結婚したが買い物はほとんど妻だった。車を購入して一諸に買い物に出かけても私は駐車場で妻を待っていた。当時、日本では、夫婦そろって買い物をするという風習はなかったように思う。
 私は昭和51年(1976年)7月から2ヶ月間、アメリカとカナダへ行く機会に恵まれた(英語研修)。36歳時。何もかも新鮮で、珍しく、刺激的で、まさにカルチャーショックの連続。特に目についたのは、世代に関係なく夫婦が肩を並べ、買い物や散歩、食事、スポーツなどを楽しんでいる姿だった。
 買い物では、夫婦が話しかけながら品を選んでいる。そして、大きく重い荷物を運ぶのは夫の仕事。何より、買い物を楽しんでいる雰囲気が羨ましかった。Shopping 一つを見ても、外国人はより広く、深く、しかも感性(sensibility)豊かな人生を営んでいるではないか。ふと思った。「帰国したら俺もそうしよう」と。
 滞在中に、60代の家庭にホームステイもさせてもらったが、夫は台所に入り手伝うし、土・日の朝食は当番になっていて、奥さんはゆっくり起床し、手伝うこともなく自分の時間に使っていた。決して「女性上位」ということでもないように感じた。むしろ、日本の男性はいわゆる家事をいかに「女性任せ」にしているかがクローズアップされた。
 帰国して、恐る恐る妻と一諸にShoppingに挑戦。妻は恥ずかしそうだったが、馴れるのにそんなに時間はかからなかったように思う。そのころから、自分の背広や下着、靴下などは自分で買うようになり、今に至っている。研修以上に得るものが大きい海外2ヶ月だった。
 50〜60年代に、日本でも夫婦そろってShopping する姿が普通に見られるようになった。日本も欧米のように夫婦で行動するようになったのである。私もお陰で、Shopping は刺激的で、楽しみの一つになっている。
 

何やら買い求めるご夫婦や、一人で買い物に来る男性もいるし、お孫さんと一緒のおじいちゃんも。いずれも、昨日、近くのスーパーマーケットにて。