数々の背信行為に愕然!

 先月22日、著名なHホテルズ系列8ホテルと23店舗が、メニュー表示と異なる食材を使っていたと発表。47メニューに及んでいるという。九条ネギや信州そばの産地を偽装、「鮮魚」表示なのに冷凍食品使用、表示と違うエビを使用など多岐にわたっている。24日、社長が詳細について説明し、「意図的に偽装したのではなく誤表示」と謝罪どころか「言い訳」に終始したため非難囂々。名門ホテル故に背信行為として当分収集がつきそうにない。
 M商事は、2005年以来中国産米等を混ぜて「国産米」として大手流通グループを通して販売していたことが判明。関東はもとより、愛知、岐阜、志賀、三重、大阪でも販売されていた。米は一部混入されても見た目には分からないし、炊きたてだとおいしいので誰も気づかない。しかも、一流企業が販売しているので疑う余地がない。M商事はこのような事情を逆手に取った背信行為として厳しく断罪されてしかるべきだ。
 M大手都市銀行は、融資先に反社会勢力企業が含まれていることに気づきながら、情報公開が遅れたとして批判され、社会問題化している。現在の頭取も知っていたという。謝罪会見、役員辞任などのニュースが目立って、情報公開をためらった要因はあまり知らされていない。M銀行もかつての大銀行がいくつか合併していて、その当時のトップがたくさん残り、陋習を引きずっているのではないか。合併と同時に、それぞれのトップが退任して人事刷新すれば風通しも良くなり、隠蔽や古い体質の改善が可能になったのに・・・。
 さらにショッキングなニュースが飛び込んできた。日展の入選数は5部門のそれぞれの有力会派に割り当てられていて、その会派に入っていた方が「入選」の近道になっているというのだ。今回「書」部門で発覚。日展はまさに我が国最大の権威ある美術展で、そこを目指して艱難辛苦努力してその道を究めようとしている人はたくさんいる。その人たちへの背信行為だ。日展の権威や実力は本物なのか疑わしくなる。ここでも有力者とか長老が組織や応募者の心の中まで牛耳っている感じだ。芸術文化の世界でもヒエラルキー(人間の上下関係)が存在していては本物を発掘できないだろうと思う。
 
 10月後半にこれだけの事件があった。いずれも、今起きたのではなく隠蔽されていて「発覚」した事件である。ということは、それぞれのトップの資質や会社等の長年の体質が問われることになる。人の信頼に真剣に応えようとせず、「分からないだろう」とごまかしてきた背信行為は国内はもとより、海外へも発信され国辱的行為として信頼を失うことになり、国民は忸怩たる思いを強いられている。
 先ずは組織の体質改善が必要で、その第一番目は人事の刷新。老兵がすべて悪いわけではないが、とにかくその人たちが去ることこら始めるべきだろうと思う。咲き誇った花でも摘まないと新しい花は咲かない。新芽がじ〜とそれを待ち望んでいる。

「11月」の異称 霜月 陽月 達月 葭月 復月 子月 霜降月 雪待月 神楽月 仲冬 中寒 亜歳