邂逅・惜別

 今月もたくさんの友人、知人に会い「邂逅」(かいこう:人生の途上において重要な機縁となる出会い、めぐり会い)の機会に恵まれた。しかし、恩人とも言うべき大先輩との「惜別」もあり、人命のはかなさをしみじみ思い知らされた。
 8日、快晴のよき日に仲間とツーリングを楽しんだ。風向きの関係で渡良瀬川北上の計画を変更して、渡良瀬遊水池周辺を走り、利根川、江戸川を南下することにした。これまで、遊水池は遠くから眺めているだけだったが、実際走ってその規模の大きさと豊富な自然資源があることを知り、度肝を抜かれた。遊水池が作られた歴史的経緯もより正確に確認できて、思わぬ収穫があった。計画変更により、ヘテロドックス(無計画、未調査)の旅のおもしろさを体験した。親しい仲間と1年ぶりのツーリングだった。
 10日、スキー理論研修会。スキー指導員はスキー理論と実技の研修が義務づけられている。毎年今ごろに机上での理論研修を行ない、12月以降、雪上で実技研修がある。私は来月、北海道で実技研修を受けることにしている。そこには、若い時に一諸に受検した仲間がやってくる。もうみんな60代後半から70代だが、スキーが縁で実に長い付き合いになる。邂逅そのものである。しかし、年々、高齢により研修会への参加が少なくなっているのも現実、一抹の寂しさを感じる。
 17日、ふるさと会総会。首都圏在住の同郷出身者による会である。平成元年に創立、ちょうど25周年。「故郷への恩返しと会員の親睦を図る」ことが目的。わがふるさと会はふるさとの未来を担う子どもたちをターゲットにして、ポケットマネーを出し合い小・中学校へ図書購入資金の一部として寄付をし、「ふるさと塾」と称して、ふるさとの中学生や高校生を対象に会員が講師を務め講演や実技指導をしている。望郷や懐郷の念に浸るだけでなく、ふるさとの新たな歴史の創造に参画していきたい。同郷の誼(よしみ)を基盤にして・・・。
 17〜18日は飯坂温泉で、7月に行なわれた中学時代の同級会幹事による反省会があり、出席した。話題は、これから先の同級会をいかにして開催していくか、であった。次回は2年後に「喜寿祝い」として、その3年後は「傘寿の祝い」としてそれぞれ開催していくことで意見一致したが、問題は、参加者をいかに維持するかである。卒業時は77名で、現在66名が存命である。比較的元気な学年ではないだろうか。だから、まめに連絡し合い、声かけ合っていけば20〜30人は集まるだろうと私は楽観視している。同級生全員の住所が分かっているのも強みだ。
 23日、私のみならず多くの人がお人柄といい、指導力といい、まさに師として仰ぎ、ご指導いただいた大先輩が急逝された。常に教育界の重要ポストに就き、たくさんの優秀な教職員を育て上げ、数々の実績を残され、退職後も教育長などの要職に。ご本人から「もう自由にして欲しい」と懇願されても、周囲は承知せず、仕事をお願いしてきた。それだけ人望があり、仕事のできる方であっただけに惜しまれる。ゴルフは常に90前後。スポーツ観戦も楽しまれた。心筋梗塞と伺っているが、享年78歳。まだまだやりたいことがたくさんあり、楽しみにされていたのに。ご本人は、「黄泉の国へ行くなんてとんでもない、ちょっと一休みしているだけだよ」と思っておられるかも知れない。どうか安らかにお眠りください。告別式は30日、菩提寺にて執り行われる。合掌。