「となり組み」新年会

 きょう、となり組み(10世帯)の新年会があった。今回は12人が参加し、十二分に親交を深め合った。もう10数年前から続いていて、ある時期は一泊旅行もしていた。とかく「となり組み」とはいえ疎遠になりがちな昨今の世相を思うに、実に貴重な「となり組み」であると思う。
 このとなり組み10世帯は今から62年前に市内各地から越してきて現在に至るが、2世帯が入れ替わっている。当時の周辺は一部雑木林で、あとは田畑であった。今はその面影はなく、駅まで10数分という利便性に因りほとんど住宅で埋まっている。
 となり組みの最長老はI家の93歳・91歳のご夫婦。近くに娘さんたちが住んでいるが、できるだけ手助けを受けずに自立生活をしている。時々、夫婦けんかもするという。「物忘れが原因で・・・」と言って笑う。ひ孫10人もすごい。
 すぐお隣のT家は90歳のおばあちゃんと、娘、孫夫婦、ひ孫の5人が同居している。今は、ひ孫ちゃん(3歳)を中心ににぎやかで、幸せな日々を送っている。おばあちゃんは、ひ孫の昼食を作るのが楽しみで「ひ孫のお陰で長生きさせてもらっている」とうれしそうに話す。S家とY家は1階と2階に分かれて2世帯ぐらしをしている。孫たちは1、2階を自由に往来しており実質は同居と同じだという。
 同居、2世帯にしてもなかなか難しいと思うが、どちらも問題はなさそうで羨ましい限りである。核家族よりも特に孫たちにとってはおじいちゃん、おばあちゃんの慈愛を享受しながら育った方がいいように思う。S家は、きょうお孫さんの英語のスピーチ大会に家族全員が応援に行くために新年会は欠席だったが、やはり孫中心でほほ笑ましい。
 K家は84歳のご主人が病弱な奥さんの看病をしながら家事一切を切り盛りしている。1日3回食事を作り、掃除、洗濯、買い物、ゴミ出し、そして奥さんの通院の付き添いなど、元気にこなしている。「若い時、世話になった恩返しです」とご主人。奥さんも感謝しながらご主人の好意を快く受け止めている様子だった。
 となり同士は、ふだん行き交いながらいろんな情報交換をしているが、新年会では必ず各家の「近況報告」をすることにしている。すると、ここに紹介したような情報が集まってきて、親交がさらに深まり、何かがあればお互いに助け合えるのではないか。前述のように、現代は人間関係が希薄な世相ではあるが、先ずはとなり近所が共助し合うことから始めることで少しずつ改善していくしかないと思う。
 わが「となり組み」もまさに高齢化が進み、いささか不安がないわけでもないが、お互いに声をかけ、信頼し合って、元気にとなり組み生活を楽しもう、と誓い合って解散。

             かつては田畑だったところが住宅街に