読書アラカルト(15)「100歳までガンにならない食べ方 ボケない食べ方」白澤卓二著

 旅先の駅頭の書店でこの本を購入。その頃、たまたま高校の同期生がガンで亡くなり、「あすは我が身」という切迫感があった。この本は「具体的に何をどのように選び、調理し、食べたら病気を防げるか」についてわかりやすく書かれた医学博士による「予防医学」である。
 病気は食べ物と関係があることは誰もが認めるところであるが、それにしては無知とも思われるような食生活をしていることに気づき、遅まきながら反省している。まずは、米国国立がん研究所発表の「ガンの予防効果が高い食品」を効果の高い順に紹介すると・・・。
<第1群>ニンニク、キャベツ、大豆、甘草、ショウガ、セリ科植物(ニンジン、セロリ、パースニップなど)
<第2群>タマネギ、茶、ターメリック、全粒小麦、亜麻、玄米、柑橘類(オレンジ、レモンなど)、ナス科植物(トマト、ナス、ピーマンなど)、アブラナ科植物(ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツなど)、
<第3群>メロン、バジル、タラゴン、キウイ、イチゴ、カラス麦、ハッカ、オレガノ、キュウリ、タイム、アサツキ、キノコ類、ローズマリー、セージ、ジャガイモ、大麦、ベリー
 米国の資料なので聞き慣れない食品もあるが、ほとんどは日本国内で手に入るので意図的に買って食べるようにしたい。特に、生のニンニクの強い殺菌力は多数の研究で証明され、評価が高い。ニンニクはサルモネラ菌ボツリヌス菌結核ブドウ球菌赤痢チフスなどの病気のもととなる細菌の増殖を抑え、抗生物質の役割を果たすことがわかっている。その他についても、その効能は分からなくとも食べてみたいものばかりである。ご覧のとおり著者は野菜、果物等中心の「食べ方」を論じている。
 予防医学とは、「病気に罹らないこと」を意味する。100歳の長寿者を調べたところ、ほとんどの人が病院と医者に縁がなかったというデータをもとに、いかに予防が大切かを著者は強調している。その決め手が「食べ物」であり「食べ方」にあると・・・。
 当然のことながら著者は、「喫煙者はすべてのガンになりやすい」「太っている人は、痩せている人より危険?」「胃ガンのリスクは塩分のとりすぎ」「アルコールは男性なら2杯以下、女性なら1杯以下に」といった警告もしつつ、食生活の改善を訴えている。
 脳の老化が進みやすいのはこんな人・・・。YESが5個以上なら要注意、7個以上なら確実に老化が進んでいる。
   ❑最近、新しいことに挑戦してみようという気にならない 
   ❑人づきあいや、外に出かけることが好きでない 
   ❑裁縫や手紙を書くといった、指先を使った細かい作業をあまりしていない 
   ❑おとといの夕食を思い出せない 
   ❑食事は一人でもくもくと食べることが多い 
   ❑野菜や魚、動物などの名前を、20秒以内で10個言えない 
   ❑甘いもの、あるいは、脂っこいものが大好きである 
   ❑お酒はけっこう飲む 
   ❑タバコを吸う 
   ❑日常的に体を動かしていない
 ガンや老化は食べ物や生活環境、人間関係、遺伝などが総合的に関わっているので一つだけで解決するものではないが、「食べ物」は日常的な存在なので取り組みやすいと思う。「高齢でも、病気に罹っている人でも今から始めても遅くはない」と著者は締めくくっている。
 とにかく、その医学的背景や裏付けデータ等はご一読の上確認していただきたい。青春出版社 819円+税

100歳までガンにならない食べ方 ボケない食べ方 (青春新書インテリジェンス)

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