消費税8%スタート

 きょう4月1日より消費税が5%から8%に上がった。17年ぶりの増税である。政府は、今年度で約5兆円と見込む増税分を年金や医療、子育てなど社会保障分野に充てるとしている。そして、来年10月には税率を10%に上げることが法律として決まっている。
 値上げ前日のきのう、たまたま車のガソリンが無くなり給油に行くと、なんと長蛇の列。30分ほどかかりやっと給油完了。ここ数週間前あたりから3%分を節約しようという心理が市民の間に広がり、日常雑貨の買い占めが全国的に展開された、という。きのうはその最後の日、ガソリンスタンドでは値上げに不満であっても、静かに順番を待つ市民の姿を眺めながら、政府には増税分を約束通りにきちんと執行してほしいと強く思った。
 数十年前にカナダを訪れた時、消費税率がとてつもなく高い州があって驚いたが、市民は高税率を嘆きながらも福祉や教育、医療が充実していることで納得している様子だった。また、石油の産出で無税の州もあった。市民は税金が適正に執行されているから無税であることが誇らしげだった。納税は市民の義務であるが、税の執行が適正であれば同じにも自主的に納税をしようという気持ちになると思う。来年の再値上げまでにそんな気持ちにさせてくれるか、厳しく見守りたい。
 きょうは増税のスタートとともに首都圏のさくらが満開になり、いよいよ春爛漫の季節到来である。満開のさくらに誘われて妻と一緒に近くの公園にでかけた。電車2駅目で降りて、数分ほど桜並木を歩くと公園に着く。ここでも、静かにさくらを鑑賞して楽しむたくさんの市民がいた。電車賃や入場料金も値上がっているがさほど話題になっていない様子で、遊園地などは子どもたちで賑わっていた。善良な市民に甘えて、政治が甘くならないかと心配する。
新聞の文芸欄に微笑ましい3首の短歌が掲載されていた。(3月31日朝刊)
 ぶた汁が私の体のすみずみにとどいて出かける高校受験 (富山市)松田 梨子
 ねえちゃんはいつものようにニコニコとゆっくり食べる受験の朝も(富山市)松田 わこ
 受験生見えなくなるまで見送ってなぜだろうハラハラ泣けてくる(富山市)松田由紀子
 高校受験生の梨子さんの受験当日の姿を、妹のわこさんと母親の由紀子さんがそれぞれの立場から歌うという松田家の3人。梨子さんの受験を長い間見守ってきたあたたかい家族が目に浮かぶ。そういえば、3月は受験シーズンだ。増税も受験生を後押ししてもらいたいね。

公園のさくらに負けじと公園入口までの桜並木もお見事。(野田市清水公園)   


          帰りがけに立ち寄った子どもたちの母校のさくら