スキー人口減少時代

 このところ数日、9月下旬から10月上旬の陽気で実に過ごしやすい。しかし、残暑は間違いなくこれから彼岸の頃まで続く。そんな中、きのうは神奈川県スキー指導員会30周年記念祝賀会に招かれ出席した。「なぜ、こんな暑い最中に」と思われる人が多いはずであるが、スキーの本番は12月から3月、その前後も多用でスキー以外の行事開催は今頃しかないという事情による。
 神奈川県は、スキー連盟に登録している会員は4,977人(小・中・高校生、大学生、社会人)で、北海道(11,300人)、東京(10,677人)に次いで全国3番目である。そのうち、指導員は2,184人で全国4番目。いわゆる「雪なし県」なのに東北や甲信越等の「雪国」よりも登録会員が多い。会員のために、また、さらに会員拡大に向けてスキーバスツアーなどたくさんの事業を展開しており我が会の模範にしていきたい。
 指導員会とは、スキー・スノーボード指導資格(正指導員、準指導員)を持っているスキーヤーの任意団体で、各都道府県ごとに組織されている。スキー指導員は文字通り、「スキーを指導する人』である。しかし、今はスキー人口が最盛期(1993年頃)の3分の1の約600万人に減って、スキー教室で指導するような機会がほとんどなくなった。「それならば、資格は無用だ」と思い、資格を返上する人もいる。
 指導資格にはスキーの指導は当然であるが「スキーの普及に努める」ことも謳われている。自ら仲間と連れ立ってスキー場へ出向き、一緒に滑ってスキーの楽しさを伝授する役割がある。それがスキー人口の裾野を広げ、スキー愛好者を増やすことになり、これこそがスキー人口減少時代にあって最優先すべきことであると思う。指導員会はそうした考え方を統括して広めていく役割を担っている。
 課題は、これから先の方がもっと苦難の道だ。スキー人口が倍増することも考えにくく、この状況下で何をすべきか、何ができるかを問い詰めて施策を生み出さねばならない。その主体は、50〜60代の若い世代に委ねるしかないと思う。少しずつ世代交代していくことが改革には欠かせない要件であろうと思うからである。
 我が千葉県も「雪なし県」であり、東京都、埼玉県等近隣とも連携しながら、この地域の皆さんにスキーを楽しんでもらえるように指導員の一人として微力を捧げていきたい。スキーは、生涯スポーツとして、大自然の中で楽しみながら滑り、人と人とのコミュニケーション、融和、健康の保持増進を醸し出す。ぜひとも、後世に伝承すべく、まずは、自ら仲間と一緒にスキーに出掛けることから始めようようではないか。

       総会会場               懇親会の鏡割り