越冬の花々

 地球温暖化のせいか夏と秋の堺目があいまいで、1年で最も陽気がいい秋を楽しもうとしていると、いつの間にか初冬を迎えている。残念ながら、ここ何年かそんな感じで秋をやり過ごしている。今年はこのところ秋晴れが続いているので青空をじっくりと眺めて、つかの間の秋を享楽している。ついでに、庭先の花を越冬用に植え替えた。我が家定番の花々である。
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パンジー(左)とビオラはきょうだいで、5、6センチの中輪、大輪をパンジーといい、2センチ前後の小輪をビオラという。原産地は、オーストラリア、マレー半島、、日本、欧州。寒さに当てると葉付きがいいので越冬にはもってこいの花である。たぶん、4月末ごろまで咲いてくれるだろうと思う。

ジュリアン(欧州、中国、中央アジア)は日本原産のサクラソウ−の仲間。何本も敷き詰めて植えるとサクラソーのじゅうたんになる。ストック(欧州南部、地中海沿岸)は香りがいい。花が終わったら枝を切るとそこから新芽が出てくるのでしばらく花を楽しめる。地中海沿岸だったら気候も自然環境もよくのびのびと咲き誇っているだろうに・・・。狭い我が家の庭先でごめん!

キンセンカ(欧州南部)は霜に当てないようにすれば越冬ができるという。夏向きの花にも見えるのに寒さにも強いようで、原色そのものの橙色を長く楽しめそうである。欧州では薬用植物として、また、着色料にも使われているという。右側のカランコエマダガスカル島)は水切れに強く、しおれないのが特徴。それでも、水は少な目でいいらしい。これも種類が多く色や花がらも様々で、目を楽しませてくれる。
      
ポインセチア(メキシコ)は日本ではシクラメンとともに正月に欠かせない花の一つ。たいていは真紅のを飾っているがこのホワイトが余りにも上品に見えたので、躊躇せず買う。ちなみに値段は997円。これも根腐れが怖いので、水やりをどれだけ我慢できるか、である。そうすれば正月を迎えられるはずである。
 こうしてみると、ヨーロッパやメキシコ、マダガスカル島等ずいぶん遠方の花々に楽しませてもらっていることになる。できたら、それぞれの原産地で見てみたいものだ。たぶん、花や葉の色は野性的で、原色に近いだろうと思う。現地の人々はこれらの花をどのようにして育て、楽しんでいるのかも知りたい。そんな思いでこの花たちと一緒にやがて来る日本の冬を越そうと思う。