悩みグセ

 今朝、ある民放ラジオを聞いていたら、精神科医として著名な和田秀樹さんがインタビューに答えていた。和田さんの著書「悩みグセをやめる9つの習慣」についてであった。「悩みグセ」は誰にもあると思う。私も大いにあるのでメモを取りながら聞き入った。「悩みグセ」をやめるには・・・・。ラジオでは9つのうち幾つか取り上げていた。
 それによると、1.「あきらめる」 2.「くらべない」 3.「わかってくれる、と思わない」4.「人を嫌わない」5.「がんばりすぎない」6.「一週間に3つの楽しみを見つける」など。項目だけで、特に説明は必要がないと思うが私なりに感想を述べておきたい。
 「あきらめる」については、なかなか難しいことである。たいていは、「過去」のことであり、変えようがないのにエンドレスに悩み、苦しむことが多い。しかし、年齡を重ねるにつれて、「これも自分の能力」と思うようになり、ある時点であきらめることができるようになった気がする。ただし、他人に関することで、謝るべきことがあれば率直に謝るべきである。礼を失して、早々に「あきらめる」と、余りもの軽率さでいつかまた悩むことになる。
 「人を嫌わない」については、より信頼ある人間関係を築いていくための原点ではないかと思う。臨床心理学者の河合隼雄が著書で「心のなかの勝負は51対49のことが多い」(「心の処方箋」新潮社)と指摘しているように、人の好き・嫌いも51対49であると思う。だから、例えば、嫌いな人がいたら自分から話しかけてみてはどうか。きっとそこから対話が生じてきて、もう嫌う必要がなくなるのではないか。
 次に、「がんばりすぎない」については、一概には言えないが、多分、「燃え尽き症候群」的な「がんばりすぎ」を指摘していると思う。努力とか根性だけで何事も成し遂げられると思い込みがんばったが、失敗に終わったり、期待通りの結果が出なかったりすると「悩む」ことになる。それは経過よりも結果だけを求めるという考えを改めないとがんばりも空回りになる。経過を重視して、いつ、どの段階で、何ゆえに「がんばる」のかを明確にして「がんばる」ことであろうと思う。
 最後に、「くらべない」について考えたい。何かと「くらべる」のも人間の一般的な心理であると思う。比較は本来、分母が同じであるべきで、分母が違うまま「くらべる」と大きな違いが出て来る。それとは気づかずに「努力が足りない」とか「能力が劣っている」といった劣等感を抱くことになる。もちろん、分母が同じでも違う結果が出てくるが、その場合は劣等感ではなく『違い」として受け止めて、その現実から逃げないで自分にできることをしていくことである。

 私はこの本ををまだ読んでいないので、ぜひとも購入して著者の考えを伺い、無駄な「悩みグセ」から開放されたいものである。
 和田秀樹著 「悩みグセ」をやめる9つの習慣  だいわ文庫 648円

  晩秋の彩り。ナナカマドとゆず、そして、紅葉のドウダンツツジ(近隣の民家)