異文化を共有・昇華〜マッサンより

 NHK朝の連続ドラマ「マッサン」の人気が高い。ニッカウイスキー創始者竹鶴政孝(マッサン)の考え方、行動が頑固一徹で、当時では「変人」扱いされながらも「本物のウイスキーを作る」ことにこだわり続ける生き方が共感を呼んでいる。
 人気の要因として、ヒロイン・エリーの存在も大きい。明治時代の日本のしきたりや食べ物、衣服などはスコットランド生まれのエリーにはなかなか馴染めなかったが、必死になってその違いを理解しようと努め、その上で、一貫している自分の考えを誰にでもきちんと言う。これも日本人にはないことなので感銘を与えている。しかし、姑とはことごとく対立して苦労を強いられる。異文化が大きな壁になっている。 
 エリーは、スコットランドグラスゴー大学に留学中のマッサンと結婚(1920年 大正9年)。エリーのきょうだいや家族は猛反対だったという。当時としては珍しい国際結婚であったと言われ、マッサンもエリーもたいへんな英断であった。それだけに、帰国後の夫婦の結束は堅く、幾多の困難をも乗り超えられたものと思う。
 今でこそ、国際結婚は珍しくなく、グローバル化が進み、互いに異文化に対する理解も深化しつつある。むしろ、異文化の経験を活かして自国人としての良さを倍増させ、人生を楽しんでいる人も多い。学者や作家、歌手、スポーツマンなどの世界でも海外で学んできた人たちの活躍が目立つ。異文化に学ぶべきことがたくさんあるということだろうと思う。
 マッサンの場合も、現実的に、国際結婚により互いに異文化を共有し、昇華することでウイスキー創業に成功し「国産ウイスキー生みの父」と称されている。若くしてスコットランドへ留学したことが彼の人生を大きく左右した。
 ところで、エリー役のシャーロット・ケイト・フォックスさんはアメリカの女優で、今や「マッサン」のヒロインとしてたいへんな人気である。ご本人も日本がお気に入りのようで「日本で女優の仕事を続けたい、ずっと、ずっと」と語っている。演技も上手だし、日本文化をよく理解しているので、貴重な女優になリそうだ。ぜひとも日本人の異文化理解がさらに深まるように指南役を担ってほしい。
     
   保存されている竹鶴夫妻の住居 余市町のニッカウイスキー工場にて 2013.4.12