5月スタート

 初夏を思わせるような暑い中、5月がスタートした。4月末の祝日「昭和の日」から大型連休になっている企業等もあり、行楽や帰省、海外旅行など開放感ムードが続いている。平和な日本を象徴するかのようだ。
 政局は休みはなく、賑やかだ。日米との同盟国関係を深めてにこやかに帰国した安倍首相。米国に余りにも媚しすぎてはいないか、という世論。安全保障に関する事案を我が国会に諮る前に米議会で約束したことに怒る野党。もちろん、賞賛の声も。いずれ、国会で論争はあろうと思うが米国との約束は変わらず仕舞いに終わるのか。
 3日は「憲法記念日」。安部首相は「憲法を改正する」と明言。「我が国の憲法GHQからの押し付けによるもの」で「自主憲法を制定すべき」がその理由。例えそうだとしても、この憲法のお陰で戦争国だった我が国は68年間一度も戦争を起こしてもいないし加担もしていない。
 敗戦当時の我が国は凝り性もなく戦争思考から抜け出せない状況で、また戦争をやりかねないので、GHQは第9条「戦争放棄」を入れたのではないか。日本にとってこの上ない有り難い憲法だと思う。最近のどの世論調査でも、特に、第9条については賛成が反対を上回っている。
 5日は「こどもの日」。家族連れで帰省や行楽を楽しむ子どもたちの様子がテレビや新聞等で報じられている。戦争前後が子ども時代の我々の世代と比べると今の方が幸せそうに見える。ただし、あと数十年経って比べてみないと本当のことは分からいと思うけど・・・。
 ところが、「子どもの貧困」問題がここ何年も取り上げられている。我が国の子どもの貧困率が16.3%で、先進国では最上位だという。元気な子どもたちを見ていると信じられないが、国も認めているというから憂慮すべきだ。それは子どもには何の責任もないので、まさに大人、つまり国の問題なのである。
 例えば、かなりの資金を投じている海外援助。それも大切であるが、少しでも削減して我が国の子どもたちに回すことはできるのではないか。国の将来は子どもたちが担うことをもう一度再確認したいものだ。
 世相に心身を奪われていると、特に自然の営みを見失ってしまう。いま、首都圏ではツツジが最盛期。4月末、群馬へ出かけた折に、ある道の駅の軒下に、つばめが賑やかにさえずりながら巣作りに勤しんでいた。忘れかけていた風景だった。巣作りを認めて温かく見守る地元の人々の寛容さに心を打たれた。
 5月のスタートにあたり、営々と国民が築いてきた平和をしっかりと守る政治をお願いしたい。
[:W280]
   近隣の田園にて               市内 国道16号沿線