私も一言

 集団的自衛権の行使を可能にする新たな安保法案が、きのう衆院で自公等の賛成多数で可決し、参院に送られた。
 この法案は、ほとんどの憲法学者、元内閣法制局長官等が「違憲である」と語り、8割以上の国民が政府の「説明不足」を指摘、5割以上の国民が成立に『反対」している。それに政府はきちんとした反論・説明ができていない。
 メディアのアンケートでも法案の成立に賛成:反対は、日経・テレビ東京25:57(%)、産経44:49、読売36:50、毎日29:58、NHK24:61、朝日26:56、と産経を除きすべて「反対」の方が多い。政権はこの実態を率直に認めようとしない。
 自民は圧倒的多数なのに、なぜこんなにも「反対」が多いのか。実は先の選挙の争点は「アベノミクス」で、国民はその「是か非か」を問われた。その結果、「是」とする国民が自民に投票した。安保法案はどこかにひっそりと書いてあるだけで前面には出さないようにした。「目眩まし」を食わされたようなものである。とても誇れる「多数」ではない。しかし、安保法案が前面に出てくると自民支持者でも「反対」が多い。当然の良識である。
 それでも、なぜ安倍さんは成立を急いだのか。やはり、「多数」の今しかない、と判断したのではないか。そして、「多数」を背景に5月、アメリカ議会で「安保法案の成立」を公約している。安倍さんは口が軽いし、国家の主権は国民にあることも忘却している。自分の思いだけを通そうとしている。
 これだけ「反対」が多いのに自民議員は全員「賛成」なのか。これまでの自民はたいてい「反対」を唱える人がいたものである。「物言えば唇寒し」の凍った雰囲気なのかな。でも、地元選挙民にどう説明するのだろう。ついでに一言。公明党は平和主義を唱えていたのに、どうして自民と一心同体になったのか。掲げていた「自民のブレーキ役」は皆無で、平和主義の看板を取り下げた方がいい。
 私はこれまでも中庸にものごとを判断してきたつもりであるが、どう見ても考えても、この安保法案の取り扱いには納得がいかない。『憲法違反」という烙印を押された法律を守ろうという気にはなれない。先ずは、どうしてもこの通りの法案を通そうとするなら国民投票を行い憲法改正が先ではないか。
 国会周辺には数万人のデモが繰り広げられている。しかも若者が多い。また、組織動員ではなく、個々人がいたたまれなくてデモに参加している。決して暴動を起こしたりもしない。まさに「良識の民」の意思表示なのである。
 戦後70年、平和で他国との争いもなく今日に至っているのは、勤勉で、協調性があり、良識ある国民性のお陰あると思う。政治家はこのことを肝に命じてほしい。とりわけ安倍さんは中国や韓国、北朝鮮等近隣諸国へ何度も脚を運び平和外交をしてもらいたい。そうすれば集団的自衛権など急ぐ必要がなくなる。
 ついつい「一言」では終わらなくなった。でも、この辺で・・・。