なぜ急ぐ「エスカレーター」!

 近年、JRはじめ各私鉄等の駅にはエスカレーターが普及して、便利になった。駅によって高速エスカレーターもあり、利便性を高めている。エスカレーターは駅だけでなくデパートやスーパマーケットはもとより、2、3階の建物にはほとんど設置されている。そして、共通していることは、関東では上り、下りとも右側を空けて乗るというマナーが定着している。
 私は電車をよく利用するので、駅のエスカレーターにもよく乗る。大体は左側に停止して乗り、右側は空けている。すると、右側を急いで駆け上る(駆け下りる)たくさんの人が追い越していく。時には、接触されて痛い思いをしたこともある。また、つい最近、ある駅で電車を降りてエスカレーターへ急ぐ男性二人が接触し合い、つかみ合いの喧嘩になるという光景を目撃した。
 1週間ほど前の新聞が、エスカレーターの「片側空け 追い越し危険」という調査記事を掲載した。それによると、都内のエスカレーター事故で救急搬送された人数は,2012年1289人、2013年1380人、2014年1443人と急増している。そのうち重傷は16人もいる。特に、通勤客の利用者が圧倒的に多い駅での事故が心配だ。もともと、エスカレーターは停止して利用するように設計されているはずで、歩行、走行は非常に危険である。
 それ以上に、思うことがある。それは「どうしてそんなに急ぐのか」ということ。見た目にも、いかにもせかせかしていい感じがしないし、かつて世界から「イコノミックアニマル」と揶揄された悪いイメージの日本人を思い起こしてしまう。確かに、外国人がこの光景を見たら現代版「イコノミックアニマル」と思うに違いない。
 鉄道関係者は、「片側空け」をやめるとホームに乗降客があふれて危険になるので現状維持とのこと。多分、都内の朝の通勤時を想定してのことだろうが、これまた知恵のないな理由に思えてならない。それでも、2列に停止して並んで乗降するようにできないだろうか。日本人にもそれくらいの「余裕」があることを内外に示してもらいたいものである。時たましか利用しない老人の遠吠えにすぎないのでしょうかねぇ。


                 いずれも、昨日、JR柏駅上野駅にて