イタリアスキー(2)ドロミテ篇

 ドロミテ山群の起源は、なんと約2億5千年前、三畳紀に掛けて亜熱帯の海底が数々の地殻変動をくり返したことに拠る。造山運動を誘発され、その後は、堆積、風化、隆起をくり返し、氷河期には氷河によって岩山が削られて切り立った2000m〜3000mもの褐色の地形が完成。ドロミテの風景はまさに雄大な地球の営みの証である。2009年6月、自然遺産としてユネスコ世界遺産に指定された。雪が消えるとハイカーたちが待ち受けている。

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この日は、2778mのラガッツォ−イの山頂に掛かるロープウェイ(956m)で登頂。定員50人ほどのロープウェイに乗るも足がすくんだ。この山頂から幾つものスキー場を経て1400m台のアルタバディアまでの超ロングスキーツアーのスタート。ご覧の通り、コースは安全に整備されていて、中級レベルであれば滑降できるようになっている。我が国のスキー場と異なるのは滑降距離の長さ。ガイドのIさんが「今日はいやになるほど滑りますよ」と。確かに、滑り降りるたびにとなり町にたどり着いている感じ。雪質も天気もよく存分に楽しめて、ラッキー! 

どこを滑っていても振り返るとご覧のような褐色の山群にお圧倒されてしまう。そして、その渓谷にスキーコースを整備して、スキーとドロミテ山群を楽しんでもらうという壮大なアイディアが今世界の人々の心を震撼させている。右は、今使われているワールドカップ(WC)級の滑降コース。急斜面に加えて部分的に凍結しており、何回も止まリながらやっとゴール。我が国ではこんなに険しい滑降コースはない。

ドロミテの女王と言われるマルモラーダ(3342m)。さすが、その風貌満点である。夏になっても雪渓がある。スキーと自然を堪能しているうちにこの日の終点アルタバディアへ。午後3時、スタート地点から遥かに離れたところへ迎えのバスが来ていた。