7月、世辞を問う

 今年も半分過ぎて、きょうから7月。九州は連日のように雨が続き土砂崩れや河川が増水し、不安な日々を送っている。大きな地震の後だけに本当にお気の毒である。首都圏はどうか、大きな地震も大雨もなくありがたいが、首都圏の水瓶がかなり少なく飲料水の心配がある。この冬、雪が例年より大幅に少なかったことと、梅雨に入っても水瓶の群馬県山間部地域に雨が降らないことが重なったことによる。節水してどれだけ堪えられるか不安である。
 さて、世界に目を向けると、今、連日報じられているのが英国のEU離脱の問題。中でも国民投票した英国国民が一番ショックを受けていて、「もう一度国民投票をして欲しい」と各地で大きな集会が開かれている。離脱によって想定以上の大きな問題が生じていることで離脱支持派でも混乱しているという。
 国民投票直接民主主義を問う方法であるが、その結果によってどのように国が変わるのか、もっともっと事前に知っておく必要があったのではないか。ある学者は『選択は、離脱か、残留かという二者択一なので、「世論」(せろん=ポピュリズム)の動向に左右されがちである。本来、自分の考えをきちんと主張する「与論」(よろん=パブリック・オピニオン)が中心の国民投票ではなかった』と分析している。国民投票の怖さである。
 国内では、今、10日投票の参院選挙中である。今だに選挙カーの音も聞こえないし候補者の姿も見ていない。もっぱら新聞頼みである。相変わらず全国的に自公が強いと報道されている。仮に与党が2/3以上の議席を取れば、例えば、与党は憲法改正を発議して国民投票になるかもしれない。そうなったら、英国のEU離脱の教訓がどれだけ生かされるか、今度は我々が試されることになる。与野党がそれぞれ相手方の悪口を言っている指導者の元では「与論」を喚起するのは難しい。政治家にはもっと次元の高い政策を語り合い、選挙戦を展開してもらいたいものだ。
 もう一つ、舛添東京都知事の任期途中での辞職に伴い、今、後任選びが話題になっている。自民党都連は幾人か候補者を選定し要請したが全員が固辞。しかし、都連はその中で総務省事務次官を退官したばかりの桜井俊さんに的を絞り要請しようとしているさなか、自民党小池百合子さんが突然「出馬宣言」。党にも都連にも連絡していないので大騒ぎになった。
 その翌日、桜井さんは党や官邸からの再三の出馬要請に「私はその器でないので候補者名から私の名前を消してほしい」と固辞を貫いた。すると、自民党は不快感を抱いていたはずの小池さん擁立に動き始めている。野党共闘の候補者もまだ決まっていないので、まさに混迷の知事選。というわけで、これまでは、実務、人物よりも「勝てる人」優先の知事選びをした結果、2代続けて途中辞職しているだけに、この教訓を生かせるのか、都民ではないのに注目している昨今である。
   ペチユニア競演。苗も安価で初秋まで咲き誇るので我が家の主流派に。  木陰で涼を楽しむインパチェンス(別名 アフリカホウセンカ)  おまけに、上手な滑りとは言えませんが再々・・・(この4月白馬八方にて)