新人先生の担任 急増

 全国の小中学校で、退職する教員数が2年後にピークを迎える。もうすでに中学校では新人の先生の担任が急増し6割を超えている(2014年)という。経験の浅い教員に対して「大丈夫かな?」と心配する向きがある。
 子どもの側からすると、若い先生「大歓迎!」のはず。年齢差が少ないので親しみやすく、話題なども共有できるからである。親の側は、学級担任としての指導力や子どもへの影響力に不安を抱く人が多い。近年の教育環境は教員の多忙化や教育内容の多様化などが進み、学校の課題は重いだけに新人に限らず、すべての先生にとって指導力の向上が求められる時代である。
 先生の資質は、教科指導などの専門性と人間的影響力をもたらす人間性が両輪。教科に関する専門的な学問力は不可欠である。親や周囲の社会人に代わって教育するのだから当然求められる資質である。また、先生は一日の学校生活のうち少なくとも8時間前後生徒とともに過ごす。したがって、先生の言動は多くの生徒に大きな影響を与える。その中でも特に学級担任はさらにもっと生徒との接触が多いので崇高な人間性が求められる。この両輪のバランスを常に高いところで保っていけるかどうかで、先生の真価が決まる。それは、新人、ベテラン共通の永遠の課題である。
 文科省は、新人の担任急増に対して研修を強化して対応していくというが、中学校では部活動の指導や生徒指導等でじっくり研修に打ち込めないという現実がある。時代の変化を考慮して昔ながらの部活動指導体制を思い切って第三者へ移行し、先生から切り離す勇断が必要だ。その上で、各学校の先輩先生が新人の先生を育てていく環境を整えることが有効的だ。さらに、担当する授業時間数を高校並みに少なくして授業や学級担任の仕事の時間を確保してあげることも重要であると思う。
 公立学校教員の採用倍率が年々低下している。先生の仕事や社会的地位の評価に変化が生じていることが大きく影響している。しかし、私は時代がどう変わろうと先生の職務の使命や評価は不変であると信じている。
 先生の仕事は(1)地味である。(2)忍耐が必要である。(3)愛情が必要である。(4)無上の喜びを味わえる。(5)誰もが一度は経験してみたい職業である、という教師像を新人の先生にも進呈したい。一つ一つ噛みしめていただければ先生の矜持や喜びを感じてもらえるのではないか、と期待している。
 最後に、先生としてどうしても欠かせないのは、教育理念である。教育とは何か、なぜ教師になろうとするか、どんな子どもに育てたいか、などの基本となる考え方を示すものである。私は、教育愛、または、子ども愛を教育理念として掲げ、それを基にして教育目標を立てて、その具現化を図ることが教育であると捉えた。確固たる教育に対する愛、子どもたちへの愛が教育を昇華していくという確信があれば、いつでも自信をもって子どもたちの前に立ち、笑顔を送ることができると思う。
 新人の先生でも、担任はできるので十分精進した上で、自信をもって臨んでほしい。