今年もまた高校同期会(首都圏)

 先般、上野で恒例の首都圏在住高校同期会があった。ほぼ例年と同じ23名出席したが、無念にも2名が鬼籍に入っていた。幹事は出欠状況について説明したが、少し気になったのは、2割余の同期生から返信がなかったこと。もっとも、うっかり忘れることも、面倒くさいことも有り得るので、許容範囲と受け止めるべきかも。ある者は「俺が先に死んだら通知や案内の返事は出してくれ、と女房に頼んである」と話す。「でないと、死亡者あてに毎年楽しい案内が来ることになる」と。同期生の近況から若干拾ってみると・・・
 S君の場合:妻に先立たれ10年以上になるが、もうすっかり一人暮らしが身について日常生活に支障はない。とはいえ、炊事、洗濯、掃除はもとより、買い物、銀行、役所などにも出かけるのでぼけっとしてはいられない。話題の豊洲の近くに在住。
 K君の場合:妻が車椅子生活になり、部屋の中を伝え歩きはできるものの、台所に立って炊事はできない状態。すべて妻頼みの生活をしていたので本当に困っている。出来合いのものを買ってきたり、レシピを見て作ってみたりするが、毎日ことで本当にお手上げである。まだ、会社勤めもしているし・・・。
 Tさんの場合:私は特に食事の仕事をサボっている。すると、主人が何やかや作ってくれるので、それをいただいている。お互いに「できる人がやる」ことで自然に合意しているのでトラブルにはならない。お互いに趣味も自由にやっている。
 Yさんの場合:外孫が3人いるけど、みんなアトピーに罹り通院中。そういう自分も主人も抗がん剤を服薬しているので家族みんなが病院のお世話になっている。この間、みんなで食事をした後、主人が「また来てね」と言うと、孫が「おじいちゃん生きていたらね」という会話に大笑い!
 A君の場合:不整脈が出て救急車で運ばれ、入院、手術。幸い、大事に至らず退院できてホッとしていたら、妻が「今あなたがこうしていられるのも私がいるからだ、ということ忘れないで!」とはっきり言われて返す言葉がなかった。女性はどこまで気丈なのかと思い知らされた。妻の友人の主人とよく比較されるし。
 O君の場合:自宅から少し離れた山間部に畑を耕している。そこに寝泊まりができるようになっていて、私はほとんど自宅にはいない。妻は留守をしながら、あちこち外出し、旅行も。もう何年も別居生活している。そういえば妻も同期生だけどこの種の集まりには一切出ていないのでご了解を。
 23名がそれぞれ人生を語り合った。身にしみる話が多く、共通するものも多々あり、まさに悲喜こもごも。ある者は「後世に残すものは真実に尽きる」と熱く語った。教育、経済、政治、歴史、文化、思想などの「真実」を残していくことが私たちの使命である、と。高齢化そのものは素直に受け止めながらも、まだまだやるべきことがあると宣言した。心強い同期生がたくさんいることに意を強くした同期会であった。

世界遺産に登録された国立西洋美術館前を歩く外国人とチェロ演奏中の外国人演奏家
 
   自動販売機が珍しいという外国人      上野不忍池 (いずれも上野公園にて)