教育と教養に追われる日々

 有り難いことであるが、今月も教育(きょう行くところがある)と教養(きょう用がある)に恵まれて、いろんなところへ出かけ、たくさんの人に会っている。その度に、新たな出会いがあり、新たな感激を味わうこともしばしばである。たとえ同じ人と再会しても時(T)と場所(P)と場合・機会(O)が替わっているからそうなるのであろうと思う。
 1日(土)、パドヴァトリオコンサート。北海道から北イタリアへ移住してバドヴァを本拠地として演奏活動している父(ヴァイオリン)、長女(ピアノ)、次女(チェロ)3人によるコンサートがエローラホール(埼玉・松伏町)であった。十数年前から定期的にエローラホールで演奏会が開かれているが、たまたま同ホールへ招致するとき関わった縁で再会が待ち遠しかった。父子ともに円熟した演奏に感動。特に、トリオ得意のヴィヴァルディ(イタリア)の「四季」がよかった。北海道出身のこの家族はイタリアへ移住し、子どもたちにも音楽教育を施し、演奏家として自立している。
 9日(日)、地区運動会。あいにく雨で体育館で行われたが、5町内で競う得点種目では我が1町内がチームワーク良く頑張って僅差で優勝、みんなで大感激。パン食い競争、瓶釣り競争、玉入れなど昔ながらのプログラムもあり高齢者には郷愁を感じる運動会。何より、隣近所の人たちが仲良く楽しんでいる姿が良かった。
 14日(金)、高校同級会が東京であった。このことは前回のブログに記してあるが、首都圏でも近くに住む2人が鬼籍に入っていることを知り愕然とした。同級生の死は決して他人事に思えない宿命を感じる。
 15、16(日)栃木県那須でゴルフ。これはスキー指導者による恒例の懇親ゴルフ大会で、岩手、宮城、山形、福島、東京、埼玉、神奈川、千葉など各都県の仲間が集合。大部分はお馴染みのメンバーであるが、会話を交わしてみると、自身のことよりも、家族や友人など身の回りの人の消息に変化が多かったという。「現在はすべて過渡期である」(小林秀雄)と言われるように、まさに時の移り変りは微妙(delicacy)である。那須の山頂は紅葉が始まっていた。
 時間さえ重ならない限り断らないようにしているので、一日に3ヶ所へ出かけることもある。それも声をかけてくださった方には関知しないことであり、釈明はしないようにしている。ということで、手厚いご厚誼に感謝あるのみであるが、当然のこととして身の回りの整理整頓、読書、映画鑑賞、庭の手入れ、手紙を書くなどの時間が少なく、本物の教育や教養が希薄になっている昨今である。
            
長男夫婦が飼っている1歳3ヶ月の子ネコ「小梅」。我が家に来るとすぐに過去の匂いを感知して我が家気分でのびのび遊び回って帰る。