スキーの楽しみ方

 私の今シーズンのスキーはあと2日で終わることになっていますが、今冬は吹雪いたり、スモッグの日が多く宿で待機、途中で引き返すこともありました。スキーはもともと大自然の中で、しかも寒いところで遊ぶスポーツなのでそれらは覚悟しているものの悔しい思いは禁じ得ませんが、ほんの何日かは晴天の日もあり、その時は存分に滑ってスキーを楽しむ幸せを味わうこともできました。
 間もなくシーズンを終える今、これから先もスキーを楽しみたいという前向きな気持ちになっています。体力的にも精神的にもまた年齢的にも厳しさが増すばかりなので「本当かな?」と疑ってもいるのですが・・・。ともかく、いろいろな逆風をいなしながらしっかりと雪上に立てるよう準備をしていきたい。まずは体力の衰えを補強していくことかと思っています。
 今シーズンはニセコ(北海道)、志賀高原、白馬(ともに長野)等へ行きました。この3地域には外国人がたいへん多く、自分自身がまるで外国にいるような錯覚に陥るほどでした。東京で仕事をしているという40代のオーストラリア人の男性は「日本のスキー場も雪も食べ物も素晴らしい。自国から両親を呼び寄せ20日間くらい滞在してもらっている。僕は1週間スキーを楽しみ東京へ帰る」(ニセコ)という。時間的な余裕が羨ましい。
 やはりオーストラリア人の中年夫婦は「日本のスキー環境はとてもいい。民宿のホストぶりや食事、雪景色もいい」(白馬)と絶賛。2週間滞在して帰国するという。オーストラリアにもスキー場はあるがホテルやスキー場、リフトは日本の方が快適で安価だと言います。そして、夫婦でスキーだけでなく自然や日本の文化にも興味関心を持って楽しんでいる姿に心の豊かさを感じました。私も何回か海外スキーを経験していますが、そんな余裕はなくただただ「滑ること」のみでした。
 「もう少しスキーをやりたい」という前向きな気持ちがあるうちに、スキーの楽しみ方を見直したいと思います。まずはじめに、ありがたいことにスキーそのものはある程度滑れるので、その方法をたくさんのスキーヤーに伝達する役割を担っていきたいと思います。また、天気のいい日には周囲の山々や樹木、動物の生態などについて話題にしたり、スキーヤー同士のコミュニケーションを深めるなどしてスキーの楽しみ方を拡大していく工夫も必要です。
 さらに、スキーは「冬のツアー」として位置付け、同行者との会話や食事、温泉などをじっくり楽しむゆとりを持ちたい。地域の歴史や文化文明に接することも楽しみです。
 スキーヤーはスキー文化を後世に伝承する使命を負っています。スキー文化とは、スキー文明が物心両面にもたらす恩恵を最大限に活用して、スキースポーツの快適さを味わい、健康で明るい生活に資することであります。スキーの楽しみ方は多様なので次シーズンを期して待ちたいと思います。