105歳 日野原重明さんの死去を悼む

 「生涯現役」として著作や講演など幅広く活躍されてきた聖路加国際病院名誉院長の日野原重明さんが18日午前6時33分呼吸不全で死去されました。105歳でした。80歳で病院長に就任して以来は、「文化人」として注目を集めるようになり、講演の肩書きはいつも「医師」でした。医師、科学者であると同時に、牧師だった父の影響を受け、寛容、情熱、諦観と共に、人間の生と死、病苦や老い、葛藤に寄り添い続けてきました。
 日野原さんは医師界に多くの足跡を残されましたが、脳卒中や心臓病を「成人病」ではなく「習慣病」と呼び改めるよう提唱された功績は大きく讃えられています。成人ならいずれ患うものとなかばあきらめてきた疾病が、生活習慣を改めれば避けられると気づかせてくれました。「人生とは習慣である」「死ぬ瞬間まで人生の現役」「年齢は勝ち負けではありません。謙虚にそして存分に味わえば良いのです」〜自著や対談、講演でそんな哲学を縦横に語られています。  
 「日野原先生は、日本の医学を患者中心の医療に変えるきっかけを作られた」(鎌田實医師)『「与えられた命を人のために使いたい」とよくおっしゃっていました』(竹下景子氏)。「日本のホスピスの広がりは日野原先生抜きには考えられない。アジアやオセアニアなど国外でのホスピス発展に尽力された」(山崎章郎ホスピスケア院長)
 このように先生の功績を讃えるメッセージは多いばかりではなく、「いのち」について小学生から高齢者に語りかけ、浸透させてこられた実績を後世に語り継がれていくように訴えられていることを忘れてはならないと思います。「年とること 楽しい冒険」「楽しい高齢者像」など高齢者の生き方や勇気をたくさん頂いたので実践していきたいと思います。
 故人となられた日野原先生のご功績を讃えご冥福をお祈り申し上げます。