長期政権のおごりか

 混迷を辿る稲田防衛大臣がきょう午前辞任しました。遅きに失した感がある上に、会見内容でも矛盾や不明な点を残したままの辞任で、ますます国民の信頼が下落することになりそうです。特に、日報問題に関して陸自幹部は大臣に報告したと明言しているのに、大臣は「報告を受けていない」と最後まで貫き、陸自との溝は埋まらないままで終わりました。
 部下が「報告した」のに大臣は「報告を受けていない」という。こういう場合、組織的に意思の疎通を欠いていることが原因として、上司が責任を取るのが常識ではないか。部下たちや事務次官も責任を取って辞任する意向ですが、それは理不尽とはいえ組織体の宿命であります。大臣だけがそれがわからないようでどう始末するのでしょうか。
 あとは、安倍総理が決断するしかありませんが、来週内閣改造が予定されていますので、そのどさくさに紛れて曖昧に終わりそうです。責任を取って辞職した職員はお気の毒である。皆高級官僚たちゆえに。稲田大臣の場合、残念ながら防衛大臣は不向きであったように思います。新人抜擢という首相の発想はよかったのですが、その期待に沿えなかった大臣の責任は大きい。結局、すべての責任は安倍総理に帰着します。どうするつもりでしょうかね。
 大世帯に膨れ上がった自民党。大臣は6人も辞任、統率できるリーダーが存在せず、内閣改造をしても安倍さんの求心力は回復しそうにありません。あとは総裁を交代して新しいリーダーの元で再出発するか、究極は解散という断末魔の手段しかないのでは。長期政権のおごりが気になります。
 近隣の国際情勢が逼迫しているのに、我が国は政権党の不始末とはいえ、政治が止まっている余裕なんかないのではないか。それと、安倍さんの健康、顔の表情が良くないのが気になります。爽やかな笑顔なぞ望めそうにありません。リーダーの第一の条件は健康であること。その証として、爽やかな笑顔を持ち合わせているか、です。数だけが多い自民党政権、大丈夫か?