近所の人々に感謝!

 ここ10軒はもともとは市営住宅でした。60数年前、市は小さな山林を切り拓いて10軒の賃貸市営住宅を建て、貸し出しました。当時は個人でローンを組み1戸建ての住宅を建てる風潮が広がっていましたが、我が家はこの賃貸市営住宅に入れたことは幸運でした。
 今では2軒の住人が変わりましたが、それ以上に周囲は立錐の余地もないほど住宅街になっています。駅まで徒歩10分、16号線国道から数百メートル入っており、比較的静かな住宅街となっています。ほとんどの家は市から住宅地の払い下げを受けて今では土地もろとも自己所有になっています。
 つい数日前、日本舞踊の師匠としてこの地はもとより、市内外に日本舞踊を開拓し広めた大功労者が急死され昨日葬儀が執り行われました。享年94。その方はたまたまお隣の「おばさん」でしたので、長年にわたり公私ともにお世話になりました。豪快で、親しみ深い方でした。この地に日本舞踊を広め、さらにこの先も自家だけで3代の後継者を育てられていますので、何より立派な功績と言えます。隣家として本当にお世話になり有難うございました。お別れすることは痛恨の極みであります。心よりご冥福をお祈りします。
 10軒ほど先に、長年銀行マンとして活躍し今は悠々自適の生活をしている方、Aさんがいます。町会でも役員としてご一緒ですがお互いに年齢は不詳でした。私は彼が7、8歳は若いと見ていましたし、Aさんも私をそう見ていたようでした。先日会った時に年齢が話題になり、謎は解決しました。「同級生」でした。信じられない思いでしたが、事実が判明しましたので、新たな気持ちでお付き合いをしていこうと思っています。
 さらに十数軒離れたところに時折り散歩の休憩をさせてもらうBさん家があります。主人は釣りが趣味で、雨天以外はほとんど出かけています。収穫漁は水質が悪いこともあり全て放って帰宅しているとのことです。本当の「釣り好き」。奥さんは留守をしながら家の掃除をし、趣味の手話の練習をしています。Bさん家は近くに住む5人の孫が生き甲斐になっているようです。
 近所にはたくさんの知人友人がいますので心強い限りです。「遠い親戚より近くの他人」と言われますが、他人とは思えないほど親しくしてもらっていることに感謝したいと思います。