後生怖るべし

 昨日、私にとって教師1年目に担任を仰せつかった生徒たちのクラス会(学年全体)がありました。そのまま彼らの卒業まで3年間一緒に過ごしましたので、思い出といい、思い入れといい強烈な生徒たちでした。もう50年も前のことなのに、つい昨日のように思えてなりませんでした。
 何より、在学中は勉学やスポーツに励み、いわゆる生徒指導上の問題もほとんどなく、模範的な生徒たちでした。卒業後も高校や会社、役所等で大活躍し、数年前に定年を迎え、今はほとんどの人が幸せに年金生活を送っているようです。卒業後は節目節目にクラス会を開き同級、同郷の誼を大切にする生徒たちでした。今回もその延長線上でのクラス会で60人(5クラス)出席しています。
 今は、みんな立派な社会人であり、家庭人でもあり、また役員として地域の興隆に努めています。私にとっても初めての生徒たちでしたので思い入れも格別かも知れませんが、いかにも中学生らしく、純粋で勉学に励む生徒たちであったと絶賛したいと思います。昨日、直に面会してそのことを再確認しました。
 私にとっては教師になって初めての生徒たちでしたから、何もかも新鮮で一日一日が楽しく、教師の素晴らしさを満喫していました。生徒たちも勉強も学級活動も一緒になって協力してくれました。また、先輩の若い先生方が大勢いて色々と教えてくだいました。
 こうして、2年目、3年目を迎えるわけですが、次第に教師のあるべき真の思考や行動はこれでいいのかという自責の念に苛まれ悩むことが多くなりました。若い故に思考よりも行動に走りがちで教師とてのあるべき姿がわからなくなったのです。その頃初めて教師という仕事(職業)の重責を思い知らされました。しかし、一朝一夕にして解明できる軽い問題ではありませんので思い悩む日が続きました。
 こうしているうちに、3年間が終わろうとしていました。たくましく、思いやりのある生徒に成長し、立派な社会人として卒業の日を迎えました。教わることの多かった生徒たちが眩しくてまともに見ることができませんでした。おかげで、私は教師として生徒たちから教わることが多く、成長させてもらいました。そして、それがその後の教師生活の原点となり、曲がりなりにも36年の教職生活を全うしました。
 昨日、学年全体のクラス会に招かれ、立派な大人として家庭はもとより地域において、また、会社や学校の先輩として貢献している卒業生に接して「後生怖るべし」の感を一層深く受けとめました。また、再会する機会を持つとのこと、その日を楽しみにしながら帰宅しました。