天皇の人間性が滲み出る

 天皇陛下が2019年4月30日退位され、5月1日皇太子さまが即位されることが昨日の皇室会議で決定されました。江戸後期、200年前の光格天皇以来の「即位の儀式」になるとのことです。「平成」に代わる新しい元号も施行されます。政府は年明けにも、皇位継承の儀式などを検討する会議を設置し、準備を本格化させると発表しました。
 1年半前に、天皇陛下が自ら存命中に皇位継承したい旨の発言をしました。国民は率直に天皇のお気持ちを受け止めて、健康なうちに退位され、皇太子さまに引き継がれることを歓迎しています。歴史的に天皇は生涯務めることになっており、生存中の交代はあり得ないこととして受けとめられており、天皇の意思表示は大英断であると思います。
 天皇といえども、高齢とともに心身の衰えは避けられず、いつか「交代」の時を迎えることになるわけですが、そのことを天皇自ら問題にし、存命中に皇位を譲ると言う行為は人間的な発想であると思います。天皇を神格化して、人間としての生存権までも認めなかったことに風穴をあけるという歴史的行為であります。
 天皇が存命中に退位できるようになることは、我が国も天皇といえども「一人の人間」であり、人間優先という人間本来のあり方を最優先する考えになった証であり、この思想を永遠に継承すべきであると思います。