桜前線に託す

 日本列島の桜前線は先週関東を通り過ぎ、いま福島、宮城へと向かっています。先週、長野県白馬八方へスキーをしに行ってきましたが桜は月末とのこと。北海道には5月上、中旬に上陸し、日本列島の旅を終えることになります。日本列島を南から北へと隈なく旅する桜前線を各地で暖かく出迎えて愛でる光景はまさに日本の貴重な風物詩になっています。

 子どもの頃、通学した東北の小、中学校の校庭には桜がたくさん植えられており、満開と言えども何一つ食することなく、ただひたすらに眺めていました。風にあおられて大量の花びらが空中を飛び交う光景は今も脳裏に鮮明です。あれから数十年経ち桜の本体も相当古木化しつつありますが。

 ここ関東では、ちょうど桜が満開の頃に小学校から大学、専門学校等の入学式が行われます。厳しい受験シーズンを乗り越えて迎える入学式は開放感に満ち溢れています。これもまた学問を重視する我が国の学校制度がもたらす風物詩の一つとなっています。東北、北海道ではこれから桜前線を出迎えます。

 こうして、桜前線は日本中を隈なく駆け巡り、日本人の心を癒し、喜びを喚起します。学校や役所、会社等もその出発を春に当てている気持ちがわかるような気がします。それだからこそこの出発を大切にして、初志貫徹の機会に生かすのも賢明ではないでしょうか。

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         身延山久遠寺の枝垂桜(山梨県 4月2日写す)

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