スポーツ本来のよさ、楽しさを!

 今年も夏の甲子園が始まり、熱戦が展開されています。我が母校は県大会準々決勝で敗退しましたが……。

 その高校野球にも「改革」の風が吹き始め、話題になっています。そのきっかけは岩手県勝戦で優勝候補大船渡(おおふなと)高校の投手が「連投回避」により最後まで一切出場することなくベンチで声援を送っていました。普段はほとんど出場機会がない投手が抜擢され頑張ったのですが力及ばず、チームは敗退し準優勝でした。

 この采配に「賛否両論」が沸き起こりました。監督は「本人と話し合って決めた」とのこと、良識ある判断であったと思います。一高校生の長い人生を左右しかねない局面に立たされた監督と高校生。とかく目先の結果だけにとらわれがちな勝負の世界だけに大いに「考えさせられる」決断として波紋を呼んでいます。

 昨今、高校野球に限らず、我が国のスポーツの在り方が問われている一局面ではないかと思います。戦後求められた「勝利主義」のスポーツ界にも改革が必要であることを示唆しているように感じます。時代が変わりつつあることにもっと敏感であって欲しい。そうすれば、自ずとあるべき姿が見えてくると思います。

 しかし、来年はオリンピック、パラリンピックが我が国で開催されます。何が何でも「勝たねばならない」ムードに覆われており、その弊害があるとしても改善は難しそうですが、せめて高校野球だけでも改善すべきことには着手してもらいたい。

 スポーツには、勝敗を競い合うことで、その種目の特性を究め、技能や精神力を高め合うという喜びを感受する特性があります。そこには偏った勝利主義や精神主義は存在しません。今からでも遅くはありません。大船渡高校野球部監督と生徒の勇気ある決断を無駄にしないように高校野球の改善に生かして欲しい。

 スポーツ本来のよさや楽しさを追究するスタートにしたいものです。 

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