リーダーは高潔な権威と品格を!

 菅首相 退陣へ 3日の自民党臨時役員会で首相は「私自身、新型コロナ対策に専念したい。そういう思いの中で総裁選には出馬しない」と発言し、役員会は10分足らずで終了したとのことです。

 前日、前夜まで総裁選に「出馬する」と話していたのに、一夜明けて「出馬しない」となりました。「政治は一寸先闇」と言われていますが、文字通りの展開になり永田町界隈はたいへんな喧騒となりました。メデイアは、前日麻生氏との会談で「厳しく批判された」ことで退陣を決意した、と報じています。

 菅さんは、7年余にわたり官房長官を務め、数人の首相に仕えています。その間に首相のノウハウは十分すぎるくらい知り尽くしており、記者会見などはお手の物だったはずです。ところが首相になった途端、メモがないと喋れないことがあからさまに。官房長官時代は面倒なことや気に入らない質問は軽くあしらっていたツケが露わになったように思います。

 1年前、安倍前首相が退陣し、後任を誰にするかが問われることになり、岸田さんや石破さんが有力候補にあがりました。しかし、安倍・麻生両前首相はこの二人にはやらせたくないとして、当時の菅官房長官に懇願、立候補してもらった経緯があります。こうして急場をしのいでおきながら1年経つと簡単に首を斬る非情さに菅さんは「もうやめた!」と決断。

 何ともレベルが低く、子ども達にも聞かせたくない政治劇。国民は高い税金を納めて政治家を雇用しているのに、こんな無様な政治をされては溜飲が収まりません。とりわけ首相の座を投げ出した菅さんには「せめて7年余の官房長官時代に、謙虚に政治家の勉強をしておいて欲しかった」と申し上げたい。そうすれば立派な首相になり、国民に自分の言葉で語りかけ、信頼される宰相になれたはずです。今はひたすら我が国の政治レベルを向上させるリーダーの誕生を乞い願うのみです。

 リーダーには、権力や金力に頼らず、高潔な権威と品格を尊ぶ人間性が求められています。

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          トルコギキョウ 原産地 米国南部、メキシコ、西インド諸島