Women Only

 Women Only(ウィミン オウンリ)、ご存知、電車の女性専用車両である。2005年頃から首都圏はじめ全国の鉄道車両に設けられている。時間帯は、私がよく利用する東武電車は始発から9時まで。つくばエクスプレスも同じだが、さらに夕刻6時から終電までとなっている。西日本JRや神戸市交通局は終日。電車によってまちまちのようだ。

 男である私は2,3回うっかりこの Women Only に乗り込み、まわりを見渡し異状に気づき、あわてて他の車両へ移ったことがある。女性たちはみんな知らんふりして、言ってくれなかった。最も Women Only には法的根拠がないらしく、男性が乗っても罰せられないようだ。また、男性でも身体障害者や小学生まではいいことになっている。
 歴史的には、なんと1912年(明治12年)、国鉄中央線に「婦人専用電車」として導入。男女が一緒に乗るのは好ましくない、という理由。しかし、短期間で廃止された。
 戦後になって、1947年(昭和22年)、やはり中央線や京浜東北線に「婦人子供専用車」として復活したが、導入・廃止が繰り返され、1973年(昭和48年)、シルバーシート(優先席)と入れ替わった。
 1980年代になり、JR や私鉄各社、メディア等が痴漢防止対策としてアンケート調査を繰り返し行った結果、Women Only は70〜80%の賛成支持を得るようになり、2000年代から、JR 、私鉄各社等が本格的に導入に向けて検討し始めた経緯がある。
 ある日、秋葉原駅前広場で、数人の30〜40代の男性がマイクのボリュームを最大限に上げて、「 Women Only 反対」演説をしていた。それを聞いていた中年女性たちの反応は冷ややかだった。
 先のアンケートでは、痴漢防止対策として役立つという賛成意見に対し、性差別を感じる、後ろ向きの対策だ、という反対意見も多くあったという。Women Only は賛否両論を引きずりながらも、今は市民権を得てむしろ定着しているのではないかな。

 でも一言、元気な若い女性が、他の車両にある優先席(Priority Seat/ Courtesy Seat) に駆け込み、独占しているのを見ると、どちらもさほど真義が理解されていないのかな、と感じてしまうのは私だけか。