オーストリア、スキーの旅(3)番外編

 スキーを一日休んで大型タクシーによる日帰り遠足を楽しんだ。行き先は、リヒテンシュタイン公国首都ハァドーツとドイツのリンダウ、そしてオーストリア・フォアアールベルク州の州都ブリゲンツの3都市。
 ホテルを出ておよそ1時間で隣国リヒテンシュタイン公国の首都ハァドーツへ。国境での検問は運転手のみで通過。「日本人は大歓迎されている」と運転手。面積160平方キロメートル(小豆島と同じ広さ)、人口35,000人の小さな国である。切手発行、小麦、ブドー酒、国際金融、医療機器、精密機械、織物などの主な国家財源に加えて、税金が軽いため、外国企業が多数参入し、そこからの収入もかなりあって裕福な国と言われている。
 確かに見た目でも、堅固なビル、道路、民家などからもリッチな印象を受けた。切手の収入は国家財源の1割にもなるとのこと。観光案内所でパスポートに入国スタンプを押してもらったがなんと1.50ユーロ。切手は買わなかったが「日本人はたくさん買っていく」とのこと。わずか400メートルの通りにホテル、カフェ、みやげ物店が並ぶシュテットレ通り。この日はシーズンオフのせいか閑散としていた。
[:W250] [:W250]
中世に建てられたファドーツ城      ファドーツ市役所
[:W250] [:W250]
海外の大企業のある一角          ファドーツ郊外             
 一旦、フォアアールベルク州へ戻り1時間半ほど走りドイツのリンダウへ。ここにはオーストリア、スイス国境にまたがるドイツ最大のボーデン湖がある。33mの灯台マーライオンならぬバーバリアンライオン像が寒さに震えながら遠く湖畔を見つめている。
 かつての貴族の館やブランドショップ、カフェなどが並び、両側には石畳敷きの細い路地がいくつも伸びている。夏はボート遊びや路地歩き、ショッピングで賑わうレトロなリゾートタウン。この日はくもりで、とにかく寒くそんなイメージは浮かばず仕舞いだった。
[:W250] [:W250]
ボーデン湖のバーバリアンライオンと灯台   リンダウの街
 最後に訪ねたのは、四たび国境を超えてオーストリア・フォアアールベルクの州都ブリゲンツ。ここもわずかながらボーデン湖南東岸に面しているが、アールベルクを越えてチロルへ、また、スイスを越えてイタリアへといった通商路の拠点として栄え、ローマ時代以来約2000年の歴史があるという。湖上オペラの町としても知られている。
 4時頃の街は静かだったが、5時になると仕事を終えたサラリーマンの車が路上に流れ出て賑やかに。で、感心したのは、横断歩道に立つとほとんどの車が停止して渡らせてくれた。単なる車社会ではないことを教えられた。
[:W250] [:W250]
ブリゲンツ側のボーデン湖。面積約540平方キロ。 買い物それとも 家路を急ぐ?親子