中学校同級会

 7月5日、宮城県鳴子温泉郷で中学時代の同級会があった。古稀以来4年目だが、66人のうち25人が参加。約4割、「この年齢を思えばいい方かな」と幹事。北海道、静岡、小笠原父島の遠方からも・・・。夜は昔話に、歌に、踊りに大いに盛り上がった。
 残念なことに4年の間に3人が鬼籍入りした。S 君は卒業以来一度も同級会には顔を見せることなく、旅立った。子どもの頃はおとなしかったが・・・。みんな「会いたかったなぁ」と嘆いた。Tさんは夫が老人施設でお世話になっており一人暮らしをしていたが、冬の寒い日にこたつに入ったままで亡くなっていた。発見されるまで3日たっていたという。誰かいれば助かったのに辛い最期となった。核家族が多い昨今、同じようなことが起こらないか心配だ。
 もう一人、H 君は、このところ体調を崩していたらしく、家族に看取られながら亡くなった。ふだん、おとなしく、笑顔が印象的だった。葬儀に参列した同級生は「穏やかな顔眠っていた。遺影もとてもよかった」と話す。黙祷すると、一人一人の在りし日の姿が鮮明に浮かんできた。それにしても同級生の訃報は身に染みる。
 参加できない人からのメッセージが胸を突く。「夫の週3回の透析と、自宅での介護で家を離れられません」(H子さん)「行きたいけど、腰が痛くて駅まで行くのもたいへんなの。くやしい!」(A子さん)「姉が亡くなったばかり、それにもう一人の姉も目を離せなくなって・・・」(K子さん)「転んで脚を痛めてまだ歩けません」(Y子さん)。近くに住むM子さんと連名で酒のおつまみをたくさん贈ってきた。ちなみに2人は北海道暮らし。
 足腰が痛い、という同級生が増えてきた。本人は元気だが連れ合いの具合いが悪く、外出できない例も多いようだ。また、同級会といえども、大勢の中に顔を出すのが億劫な人もいる様子。過去において、子ども時代から引きずってきた確執をめぐり大げんかになったこともあった。義務教育の9年間、小・中一緒だったので何もかも知り尽くしておりそんなことも起こるのであろうと思う。それもこれも同級生ならではのこと。
 二次会はカラオケ。皆んなまだまだ声量があり、それはそのまま元気の証になる。それぞれ得意の歌があり、まるで自分の人生を唄っているようにも聴こえる。「吾亦紅」(われもこう)を絶唱したO君。「あなたに あなたに 見ていて欲しい 髪に白髪が 混じり始めても 俺 死ぬまで あなたの子ども・・・・」このような歌も実感できる年齢なのだろう。
 かくして、1泊2日の同級会は終わり、翌日は再会を誓い合い、別れを惜しんだ。次は3年後の喜寿祝いに集まることにしている。「少なくとも、それまでは元気でいないと」という思いを強くしてくれるから同級生はありがたい。