青色LEDで3氏にノーベル賞!

 スウェーデン王立科学アカデミーは7日、今年のノーベル物理学賞を日本の3人に贈ると発表した。赤崎さん(名城大教授85)と天野さん(名古屋大教授54)は青色発光ダイオード(LED)を初めて作り、中村さん(カリフォルニア大サンタバーバラ校教授60)が実用化につなげた。青色LEDの開発は、照明、交通信号、薄型テレビなどで省エネルギーと利便性を実現し、今や暮らしに欠かせない技術である。
 ところで、3人の学者はそれぞれにたいへん興味深いコメントを残している。
 赤崎さん「最初の頃は、とても20世紀中にはできないだろうといわれていました。私は、成否は考えていませんでした。ただやりたいことをやってきた」「大変だったことはたくさんあります。研究者というのは、好きなことをやっているわけですから、それは当たり前」「実用化の見通しが全くない青色LEDこそ、自分のやるべき仕事だ」
 天野さん「何をやるかを決めたら、必ずできるはずと思い込むことが大事だ」「私は、平均的な学生だったが、一つのことを集中して続けると、人の役に立つことができると身をもって示すことができました」「2人の学者はとても優れた研究者。私はまだまだ発展途上です」
 中村さん「研究を始めたときは、まさかここ(ノーベル賞受賞)に行き着くとは、思わなかった」『LEDランプはいまやスーパーでも買え、多く製品に使われ、地球温暖化の軽減にも役立っている。夢を現実のものにするために一緒に働いてくれた同僚たちに感謝します」「裁判で訴えられたことへの怒りが研究への原動力につながった」
 3人に共通しているのは失敗を恐れず、粘り強く研究に没頭していることである。しかも、全く「見通しがたたない」研究こそ自分がやるべき仕事だと決めている。研究に対し負けん気や反抗心(妥協しない)が底流にあることも共通している。 
 また、アメリカの大学で研究を続けている中村さんは「米国の研究者には自由がある。だれでもアメリカン・ドリームを追うことができるが、日本は年齢差別やセクハラなど多くの不平等がある」と指摘し、日米は研究の土壌が違うことを訴えている。そういえば、ノーベル賞受賞者アメリカが一番多い。
 ノーベル賞を創設したアルフレッド・ノーベルは遺言書に「人類に最大の恩恵をもたらした人物」に賞を贈ると記している。青色LEDは「人類に最大の恩恵をもたらした発明」であり、身近な問題を解決してくれたので世界中から賛辞が寄せられている。本当に素晴らしい。受賞、おめでとう!