イタリアスキー(3)総集篇

 ドロミテスキーの最大の関心事はセラロンダ。セラロンダとは、最高峰ピッツボエ(3150m)を擁するセラ山群の周囲を滑走距離リフト・ゴンドラ30km、スキー30km、計60kmを一周することを言う。
 この日私たちは、コルバラを時計回りで10時ごろスタート。比較的足並みが揃っているグループなので、早いペースで進行。最高齢の私にとっては厳しく、待たせることも。しかし、整備されたリフト・ゴンドラ、長いコースは素晴らしく、周囲の光景も圧巻であった。時間的に余裕があったので、同じコースを2回滑るアトラクション、昼食を含め午後2時30分ころゴール。反時計回りにもたくさんのスキーヤーが挑んでおり、さすがスキー王国イタリアに感心させられた。

この地図の黄色の部分がセラロンダコース。私たちは右上のコルバラを下方へスタート。時計回りに一周。右はいくつ目かの山を滑り降りようとしている仲間たち。スタート地点はやや急勾配だがやがて中斜面になる。

セラロンダ後半で、これから向かうスキー場。この日は曇りで、気温−5°C。右は、セラ山を背に同行した仲間と。
 コルチナダンペッツオの紹介をしておきたい。イタリア北東部に在って、ベニスから車で約2時間。人口5876人(2012年1月)、面積254,5km平方、標高1211m。今では、特に、ドロミテ人気で冬季はヨーロッパからのスキー、ボーダー客が多く、別荘、ペンション、ホテルが林立している。トニーザイラーや猪谷千春が活躍した1956年の第7回冬季オリンピックで世界に知られるようになった。

ホテル、ペンション、別荘に入り混じって民家がある。右は、中心街で車が入らない歩行者天国。高級店や一般的な店もあり、いつも賑わっている。ちなみに、どの店でもアメリカーナコーヒーは1.40€(1€130円)、エスプレッソ1,90€などで割高感はない。街中では必ずと言っていいほどスキーを担いで人がいる。しかも老若男女、家族連れで。

中心街にどっしりと存在感がある教会。工事中で中には入れなかったが、人々の心の拠り所になっていることは確かである。右は、日本で言えば生協のようなスーパーマーケットで、食料、衣料、家庭必需品などなんでも揃うので人気があるようだ。私も何回か覗いてみた。おみやげ用のチョコレートは、3,90€前後。オレンジやリンゴも日本並みの値段だが、美味しさは日本の勝ち。レジはご覧通りの座ったままで、知り合いの客が来ると世間話でなかなか精算が進まない。それでも無言で順番を待つ。この大らかさはイタリア人の勝ち。
 スキーをやってきたお陰で、イタリアへ行くことができた。海外を見ることで自分の心の深さや広がりを測るいい機会になった。