春3月、思うこと

 きょうで春の彼岸が明けます。ここ首都圏はやや風が冷たいもののよく晴れていて、東京は多くの人出で賑わっています。折しも、甲子園では春の選抜全国高校野球が始まり、春への営みを一層感じます。

 首都圏30km以内にある我が街を歩いて見ますと、空き家がたいへん多いことに気付きます。近隣でも何件も目にします。その多くは、子どもが早くに親元を離れて首都圏等に家庭を持って自立し、実家に戻らないためです。

 そして、その空き家跡に新しい家やアパートが建ち、新しい住民が誕生しています。それでもまだ空き家の方が加速して、次第に人口減に転じていくのではないか。ある友人宅では2世帯住宅にして、長男夫婦が戻ってくればいつでも住めるようになっているのですが、自立して戻らないことになり不動産などを処分したとのことです。

 この事例は、近年我が国でも欧米諸国のように、子どもたちは親元を離れて独立しようとする思考が普及している証です。親がその流れについていけないだけのことかも知れません。その親たちは高齢化が進むばかりなので、いかにして老後を生きていくべきか待ったなしに問われていることを再認識したい。

 いわば、誰もが通る道を我々も今歩んでいることになりますが、さりとて自分だけで生きていこうとしないでいろんな人と関わって行く方がいいと思います。特に、視野を広げるべく世界の動きをはじめ我が国情にも関心を持ち続けたいものです。そうすれば自ずからあるべき生き方が見えてくるはずです。

 ここ首都圏は桜も開花して春本番を迎えようとしています。しかし、北国ではまだ降雪がありもうしばらく春の訪れを待たねばなりません。春3月、思うことを連ねました。

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     メラコイデス  サクラソウ科  耐寒性が強く屋外で越冬が可能
 

 

 

 

 

 

 

 

 

生きた教育に感涙

 我が国では今や小、中、高、そして大学で「卒業式」真っ最中です。国中で卒業式が整然と行われ、祝福されることが日常化しています。まさに「平和な国」の証です。

 あなた達の輝く未来に ブラボー!  これは3月10日、広島県福山市立大成館中学校で行われた卒業式において、1年前がんの闘病で退職した前校長先生から贈られたメッセージです。

 ご卒業おめでとうございます。残念ながら、私はガンとなり卒業式の場に出席できません。はなむけの言葉ですが、ガンは私に多くのことを教えてくれました。それは、「生きているって素晴らしい!」ということです。これからの人生にはいろんなことが起こることでしょう。しかし、生き抜いてください。

 先生の病である多発性骨髄腫は、現時点では治ることが難しいと主治医から伝えられています。だからと言って先生には絶望は一切ありません。先生に与えられた命の炎が燃え尽きるまで、前を向いて歩き続けます。それが私の使命なのです。あなた達も先生と一緒に命の炎を燃やし続けていきませんか。

 あなた達は必ず伸びていきます。そのことを信じてください。苦しくても、あなた達の努力の歩みを続けてください。あなた達の輝く未来にブラボー!  (一部割愛)

 

 大成館中学校の生徒の皆さんは前校長先生の「贈る言葉」をどのように受け止めたでしょうか。思い病と闘いながらしっかりと前を向いて生きていこうとする意志が伝わり、生きることの厳しを実感したはずです。

 前校長先生にはまさに生きた教育を子ども達のために施されたことに敬意を表しつつさらに緩解されますようお祈りします。愛する子ども達のためにも!

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       スミレ  スミレ科 黄色や紫色もあり種類が多い

 

 

 

蔵王スキーの悦び

 2年ぶりに、蔵王でスキーを楽しんできました。4日間滞在して前半2日間は快晴、残り2日間は小雪が舞う寒い天候でした。地元の人は雪は例年に比べますと「少なめ」と話していましたが、確かに少ない感じはするものの3月一杯は充分滑れそうです。

 宿泊は標高1350m付近の中央ゲレンデにある森の山荘「三五郎」小屋。小屋とはいえ、外観は黒のログハウス風で、ヨーロッパの山岳リゾートの雰囲気が漂う山荘。なお、参加者は17人(男8、女9)。

 正午過ぎに宿で昼食をとり、2時から滑り始めました。雪は軟弱で板にしっかりと乗っていないと上手に回転してくれませんでした。早速、ロープウエイに乗り山頂へ。お地蔵さまが首を出して私たちを出迎えてくれました。

 30分ほど頂上に滞在して、すぐに下山。一昔前、頂上付近からのコースは「懺悔(ざんげ)坂」と言われ、上級者にとっても最大難所の急斜面でしたが、工事して中斜面に改良しています。コースもよく整備されて初級者でも楽しめるようになっています。今では「懺悔」は死語に。

 この会は、「熟年スキーヤーの集い」と称して1〜3月、毎月一回スキーを楽しんでいます。私は初参加ですが、皆さんが年齢を超越してスキーに取り組んでいるように思います。技術的には一様ではありませんので、自分たちでグループを作り滑っています。S会長さんの指導力、統率力、それを裏付ける人間性が本会を力強く支えています。

 一昨日、蔵王スキーを終えて帰宅しましたが、きょうになって体の節々が痛みます。まさに高齢化の何物でもありません。久しぶりにスキーを楽しめたことを悦ぶとともにスキーを共にしてくれた仲間たちに心より感謝します。 

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               蔵王 三五郎小屋    3月8日午前10時過ぎ撮影

 

 

 

 

沖縄県民投票に思うこと

 24日に実施した沖縄県民投票で名護市辺野古沿岸部の埋め立てへの反対票が投票資格者数の4分の1を超えたことを受け、玉城デニー知事は3月1日にも安倍首相と面会し結果を通知した上で、工事の中止を求めることにしています。しかし、政府は埋め立て工事を続行し、首相は投票結果を無視する姿勢を鮮明にしています。

 ちなみに、反対票は72%を超え、43万4273票に達し、玉城デニー氏が昨秋の知事選で得た過去最多得票数をも上回りました。それでも政府は選挙が終わったばかりの25日から青い海に土砂の投げ込みを始めました。

 故翁長雄志沖縄県知事は「沖縄県民に、日本国憲法が国民に保障する自由、平等、人権、そして民主主義が等しく保障されているのでしょうか」と、2016年の沖縄慰霊の日の平和宣言でこう訴えています。

 政府はこの機会に埋め立て工事を一時停止して、沖縄を始め全国民に国防のあり方を訊ねてほしいと思います。特に、沖縄以外の市民はどんな考えを持っているのか、広く問うてほしい。国防が必要であれば、それを沖縄に過分に負わせていいのか、呼びかけてほしい。埋め立てをそんなに急ぐ必要はないと思います。

 私は昨年秋、友達と沖縄を訪問しました。沖縄に到着すると、戦闘機やヘリコプターが引っ切りなしに飛び交っていました。市民にはそれが日常化して、恵まれた自然や南国の陽気さをもかき消されていないかと危惧しながら帰宅しました。

 この問題を単にイデオロギー的に処理しようとは思っていません。もっともっと当事者感覚を磨いて寄り添うべきであると思います。誰もが何事も「明日は我が身」の宿命を背負って生きているのですから、他人事で片付けないことを願って止みません。

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 メラコイデス(手前 白、奥 ピンク)サクラソウ科 耐寒性が強く開花期早春〜春

 

 

「老後の3K」にどう向き合うか

 これは過日、朝日新聞に掲載された記事の見出しです。人生100年時代、「老後の3K」と言われる「健康」「お金」「孤独」の問題にどう向き合っていくべきか、について提起していますので紹介します。アンケートは昨年末と今年度初めに実施。

 第1問 「老後に最も不安を感じることは」の問いに、①健康53% ②お金(経済)24% ③孤独12% ④生きがい8% その他3%、と答えています。①②③を合わせますと89%、つまり9割の人が老後に不安を感じていることになります。

 私も、やはり「健康」が一番の課題です。高齢者ではありますが、未だにスポーツ、旅行、読書などを楽しんでいます。しかし、健康問題は避けては通れません。1年、1年体力や気力が衰えていくことは自明です。病気や怪我などは避けては通れない課題ですので、他人事と思わず真摯に取り組みたいと思います。

 第2問 「老後で経済的に不安を感じることは何ですか」との問いに次の通り答えています。①医療34% ②介護(被介護)29% ③住まい17% ④日常生活7% ⑤人付き合い、子どもや孫の教育費2%

 医療と介護を合わせますと63%になります。高齢になるに従い、ここでも健康問題は避けて通れないことを物語っています。「夫婦どちらかでも健康を損なえば、医療費だけでなくあらゆる面でお金がかかりそう。楽しい時間も減って精神的なことも心配」と60代の女性が述べています。

 高齢化に備え60〜70代は現役で働き、80〜90代を支えていかねばなりません。まさに新時代としてとらえ、人生を変化させなければならないようです。私はその境目の世代でどう行動すべきか、一考を要する問題を抱えていることを自覚する必要があります。

 人生100年時代の印象について、「どちらかといえば楽観的」「楽観的」を合わせますと61%。老後資金も「十分だと思う」「最低限はあると思う」を合わせますと半数を超えています。明らかに二極化が進んでいることを示しています。

 いずれにしましても、老後を豊かに暮らすには、お金は何に、どのくらい、どのように使うかを検討しておくことと、やりたいことがあれば早めに取り掛かることを勧めています。

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       カタバミ科オキザリス  開花期10月〜3月


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心愛さんの死を無駄にしない!

 千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(10歳)が容疑者の父親により強くつかまれ、執拗に顔に水をかけられ死亡しました。1月24日のことでした。寒さ厳しい今冬、冷水をかけられた心愛さんのことを思うに心が痛みます。どんなにか冷たかったろうに、どうして誰も助けてあげられなかったのか、と悔やむばかりです。

 また、そばにいながら心愛さんを助けてあげられなかった母親も容疑者として逮捕されています。母親も父親につね日頃脅されているものの我が子への暴力を止めれませんでしたので、共謀者と認定されました。心愛さんは誰にも助けられずに命を亡くしたことになります。

 児童相談所が受け付けた虐待だけでなく、不登校や非行、引きこもり、障害など子どもに関する相談は、17年度約47万件にのぼり、虐待相談は約3割を占めています。虐待や非行などの対応にあたる職員の児童福祉司は同年4月現在で全国で約3200人おりますが、22年度までに2000人増やすことになっているとのことです。

 とはいえ、虐待等はすぐに改善されるとは思えませんが、これだけ子どもたちが厳しい境遇に置かれている現実を凝視しつつ、国をおげて改善に取り組んでいくべきです。それこそ先進国の証です。 

 心愛さんの悲鳴や願いに心を込めて応えていくことしかやるべきことは残されていません。同時に全国で同じような境遇の子どもたちが救われることを願って止みません。

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               よく咲くスミレ


 

 

再出発!

 ブログ「消光の日々、されど」は再出発します。ブログ当社より継続有無の確認がありましたので「あり」と答え、継続しますのでどうぞよろしく!

 ちなみに、当ブログは平成10年11月スタートし同18年末で125,823回を数えています。多くの皆さんの応援に只々頭が下がるのみです。心機一転再出発したいと思います。

 私にとって「消光の日々、されど」は、表題のように「これからの人生は『消光の日々』に過ぎない」と思いつつも、「でも、まだもう少し何かありそうだ」という思いから『されど』を添付しました。『されど』の思いが強すぎたのでしょうか、現役時代並みの多忙の日々でした。

 気がつきますと「80歳」が目前に迫っていました。びっくりし、また、慌てもしました。それはまだまだず〜と先のことと思い込んでいましたから。ともかく現実を見据えながらも「未来志向」で生きていきたいと思います。今から80代のステージ造りを始めようと思います。

 ブログ再出発にふさわしいコメントを書けないまま終えようとしていますが、改めましてこれからもご支援のほどよろしくお願いします。

 首都圏のきょうはよく晴れていますが、7〜8mの風が吹いて寒いです。明後日はポカポカ陽気とのこと。まさに三寒四温を繰り返しながら本物の春を迎えようとしています。

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         ハボタン  日本で誕生した東京丸葉系観賞用植物