Apple & Jobs とわが家

 10月5日、Apple 社創業者の Steve Jobs さんが癌で亡くなった。56歳だった。このニュースは世界中を駆け巡り、いろんな人たちにいろんな形で大きな衝撃を与えた。Jobsさんは何を作ったか。

 2001年、CDやMDを使わないで音楽を楽しめる携帯デジタルプレーヤー iPod(アイポッド)、2007年、従来のたくさんのボタンが並ぶ携帯電話に対して、タッチパネル式でパソコンのようなサイト閲覧、電子メール、ゲーム、電話もできる iPhone(アイフォーン)、2010年、やはりキーボードをなくしタッチパネルを触って、パソコン並みの作業をこなせる iPad(アイパッド)等をそれぞれ開発した。パソコンは、MacBook, MacBook Pro, MacBook Air がある。
 わが家では、妻が 発売早々 iPadを入手し、今では、パソコンと同じサイトを閲覧し、国内外のニュースをはじめ、著名人のブログ、ツイッター、音楽、週刊誌などを家事の合間に楽しんでいる。妻はもともとIT機器には全く関心がなく、操作にいたっては敬遠するばかりだった。しかし、そのような妻でも操作が思ったよりも簡単でることから、一気にとりこになったのであろう。Jobsさんは、まさに誰にでも経験・体験できる機器を目指していたのある。私はMacBookのパソコンを愛用している。私も妻と同じものを見ているが、その他にメール、ブログ、ワードも活用している。
 二男は、パソコン2台はじめ前述の機種はすべて持っている。仕事の上でも必需品になっている。ブログは67万アクセス(6年余)にも達しているようだ。実は、我々夫婦に Apple社の機種を薦めたのも、操作の指南役も近くに住む二男である。特に、妻に対しては懇切丁寧である。今では、妻は私よりも詳しい。それにしても、それらは煩わしいキーボードをなくし、持ち運びを容易にし、それでいて多機能が組み込まれているのだから、私のようなものでも楽しめるのであろうと思う。我が家は、Apple & Jobsさま様である。
 二男は JobsさんのIT機器の発明・開発に関する才能や発想の豊かさに圧倒され通しであるが、さらに、数々のスピーチにも敬服している。中でも、2005年6月12日のスタンフォード大学卒業式における彼の演説は有名で、永遠に語り継がれていくであろう。
 自分自身の生い立ちや、愛と敗北、死についての3章からなっているが、Jobsさんの創造性・先見性、そして革命精神を育んだ背景を垣間見ることがでそうだ。特に、3章の「死について]は、その前年、Jobsさんは重いがん宣告を受けているので、どうしても触れたかったのかも知れない。
 「死は、生が生んだ唯一無比の最高の発明品だが、誰も死は望まない。だけど誰も逃れることはできない。死は古きを一掃し新しきを創っていく。その新しきは君たちだ。自分以外の他の誰かの人生を生きて無駄にする暇なんかない。ドグマという罠に絡められてはいけない。それは、他の人たちの考え方が生んだ結果とともに生きていくことだから。最も重要なことは自分の直観と心に従う勇気を持つことだ。直観と心は自分が何になりたいかを分かっている」。
 そして、こう結んだ。「君たちに贈ることばは、Stay Hungry. Stay Foolish.(ハングリーであれ、馬鹿であれ)。 私が強く望み、そのようにしてきた Stay Hungry. Stay Foolish. 」と。
 Obama 大統領は5日夜、Jobsさんの死去に際して、声明を発表した。Steve was among the greatest of American innovatorsーbrave enough to think differently, bold enough to believe he could change the world, and talented enough to do it. (スティーブは米国の偉大な革新家であり、人とは違うことを考える勇気があり、自分が世界を変えられると信じる大胆さを持ち、実際にそれを実行する才能があった)。
 このように、世界中の人が彼の死を悼みながらも、彼が残したものは永久不滅であるとして、彼の生涯を1955−Forever と書き換える人もいるほどにカリスマ性が存在している。