外国人で賑わうニセコスキー場

 北海道のニセコスキー場はパウダースノーが売り物。ニセコアンヌプリ山(1308m)が日本海の壁になりパウダースノーを降らせている。17日から3日間、ニセコで初滑りスキーをしてきたが、雪が例年に比べ半分以下で、あちこちにブッシュが出ていた。3日間低気圧が居座って、何度も視界ゼロのブリザートに襲われ、気温は中腹で−7°くらい。しかし、雪はあまり降らないのでスキー場にとっては相変わらず雪不足で、先々を憂いている。雪そのものはパウダーに近かったが量が少ないのでその醍醐味は未だし、だった。
 それでも、ホテルもスキー場もスキーヤーで賑わっていた。よくよく観察すると、殆んどがオーストラリア、中国、台湾、韓国、シンガポール、マレーシア、タイ等の外国人ばかり。しかも、家族連れや若者が目立つ。マレーシア人のホテルスタッフに聞いてみると、この時期は70〜80%が外国人で、日本人は僅かな感じだという。確かに、レストランで周囲を見渡すとその通りの実態である。今や、ニセコスキー場は外国人に占有されている。特に、言語から類推すると韓国人と中国系のアジア人が多い。
 2013年の統計(国交省)によると、訪日外国人旅行者数は1,036万人。内訳は、(1)韓国246 万人(23,7%)(2)台湾221万人(21,3%) (3)中国131万人(12,7%) (4)米国80万人、その他、香港75万人、タイ45万人、オーストラリア24万人、マレーシア18万人、シンガポール18万人など。この内何%かが12月〜3月、北海道はじめ長野、新潟、山形などのスキー場でスキー、スノーボードを楽しんでいることになる。
 外国人旅行者に「訪日旅行でしたいことは何か」との質問に 、オーストラリア人14,7%、韓国人12,9%、台湾人24,1%、中国人31,9%がスキー、スノーボ―ドなどウインタースポーツを希望している、という統計がある。ゴルフや他のアウトドアよりもはるかに多い。こうしたデータも、我が国のスキー場に外国人が多いことを裏付けている。
 また、スキーリゾート施設がアメリカ428,日本305,オーストリア275,イタリア217で、我が国は国土面積からすると実に多いことになる。シドニーから来ていたスキーヤーに「あなたの国にもたくさんのスキー場があるのにどうして日本へ?」と訊くと、「オーストラリアにはスキーができるような高い山は少ない。何と言っても、スキー場の整備やゴンドラやリフト、レストランなどの施設は日本の方がいいよ」と話してくれた。
 雪不足が心配のスキー場。年々増加する外国人スキーヤーニセコスキー場は我が国のウインタースポーツの在り方、方向性はどうあるべきか、問いかけている。我が国のスキー人口も600万人台で横ばいが続いている中、外国人もさることながら日本人スキーヤーの底辺拡大にも努めないと・・・。そして、スキー界の未来を担う子どもたちがもっと安い経費でスキーができるような支援を国や自治体にお願いしておきたい。
 今シーズンもスキーができそうで、ありがたい。健康の証にしようと思う。そして、スキーの楽しさを後世に伝承することも忘れないように・・・。

コースには30〜40cmの積雪はあるが周囲からは雪不足が窺われる。中腹も積雪は少ない。

 外国人ばかりのレストラン       ニセコ郊外に点在する外国人所有のペンション
      
              ホテルから臨む雪景色