イタリアスキー(1)

2月13日〜21日の日程で、イタリアのコルチナダンペッツオでスキーを楽しんできた。コルチナといえば、1956年当地オリンピック大会で猪谷千春選手が回転で銀メダルを獲得したことで知られている。オリンピックのアルペンスキーで日本では猪谷さん以外に未だに金銀銅を取った選手がいない。

コルチナの町から見える当時のオリンピックコース。左上からスタート、途中段差がありゴールへ。そのスタート付近には当時の記録が掲示板に残されている。金メダルのトニー・ザイラーオーストリア)の名は記されているが、猪谷さんの名前はなかった。しかし、紛れもなくこのコースでアルペン史上日本初の銀メダルを獲得した。やや高齢の地元スキーヤーは猪谷さんの名前を覚えていた。

スタート地点からおよそ200m付近に立つ。この辺りは30°位の急斜面であるが後半はさらに斜度がきつい。近年に比べるとコース幅が狭く、当時はスピードコントロールが困難なコースと言えそうだ。右はゴール付近。恐れ多くも猪谷コースをゆっくりと滑り降り大感激。

コルチナもドロミテの一角で、このように茶褐色の苦灰石の岩山が主流である。右は、クリスタッロという高山の裾野の長いスキーコースで「トンバコース」と呼ばれている。トンバは1988年、1992年のオリンピックで大回転、回転で金メダル3つ、銀1つ、ワールドカップでも通算金メダル50個も獲得しているイタリアのスーパースター選手。トンバはこの狭い渓谷コースで練習を積んだと言われる。我々も滑ってみたが日本では経験できないコースであった。

2200m付近のクリスタッロスキー場からトンバコースを臨む。当地にはオリンピック選手を生む環境が常にあるということ。右は今回のスキーツアーに参加した仲間たち。高齢ながら皆んな健脚で、付いて行くのが大変だった。とは言え、コルチナやドロミテ(次回紹介)でスキーができる幸せをそれ以上に感じていた。