きょうから春彼岸

 きょうの首都圏は20°近くまで気温が上がり、春本番を思わせる陽気。一日中、青空がきれいだった。これも温暖化のいたずらで、たびたびなのであまり驚かなくなった。しかし、週末からこの時季本来の10°前後に下がるという予報。
 きょうは春の彼岸入り。快晴で、暖かいので午前中に、我が家の菩提寺に墓参。そのあと、叔父・叔母が眠るすぐ隣のお寺へ向かい墓参。きれいな花とお線香を手向けて合掌。私はいつも、お世話になったお礼と皆んな元気であるという報告をし、冥福を祈ることにしている。
 彼岸とは、煩悩と迷いの世界である「此岸(しがん)」にある者が「六波羅蜜」の修行をすることで「悟りの世界」すなわち、「彼岸(かがん)」の境地へ到達することができる、というものである。私は何の修行もしていないので「彼岸の境地」に達することはできないが、「彼岸」の世界に逝ったら「よろしく」と他力本願あるのみである。
 また、合掌する時、自分と家族の「無病息災」を祈る。特に、高齢者の天敵は「疾病に罹ること」であるから自ずと祈るようになった。そのおかげで、今のところ服薬はしているものの日常生活はさほど支障なく過ごしており、ありがたく思う。「祈る」だけでなく、科学的な医学の恩恵を受けること、健康的な家庭生活を心掛けることが肝要なのかな。
 先日、通院先に「軽く考えないで。65歳からの肺炎予防」というパンフレットが置いてあった。それによると、「肺炎は日本人の死因第3位の病気」とある。しかも、肺炎によって亡くなる人の実に、約95%が65歳以上となっている。高齢者の一人にとって、侮れない情報である。
 肺炎は、風邪やインフルエンザをこじらせたり、細菌やウィルスの感染が原因。普段、元気な人でも体調を崩し、からだの抵抗力(免疫力)が落ちた時に肺炎を起こしやすくなる、という。症状は、風邪と似ていて、熱が下がらない、痰をともなう咳がつづく、息苦しい、胸に痛みがあるなど、わかりやすい特徴である。そのときには放置しておかないで受診することに尽きる。ちなみに、日本の主な死因は、1位、悪性新生物(がん)364,872人 2位、心疾患(心不全など)196,723人 3位、肺炎122,969人 4位、脳血管疾患118,347人 (2013年厚生労働省)。
 確かに、私の場合、体力、気力の衰えは否めない。スキーでも、若手と張り合う脚力はなくなったので、マイペースで安全に滑ることに徹している。そうすれば、あと何年かは雪上に立っていられそうだ。また、重いものや大きな荷物などを運ぶのも億劫になった。これも、無理はしないでいろいろ工夫しながらやることにしている。
 彼岸の入りに当たり、日頃思い煩っていることを連ねて、いく分か心の整理を試みた次第。究極は、生きている者が健康で、幸せに生きていることが今は亡き人への最大の供養になる、という菩提寺の住職の法話を思い起こしている。

  あたたく、青空がきれいな彼岸の入り     玄関の花たちも心地よさそう