「ふるさと」に感謝しつつ

 この時期、ふるさと会の総会兼懇親会が各地区で開催されています。我がふるさと会もこの日曜日に東京中野のホテルで開催され60余人が参加しました。我がふるさとは岩手県最南端の町で、今は岩手県一関市に吸収合併されています。
 今回は第29回ですので、来年は30周年記念の会となります。すぐお隣は宮城県で、岩手県最南端の町ですが、県自体が人口減により経済全般に「活性化」が大きな課題になっています。我が「ふるさと会」もご他聞にもれず会員が年々減少し、30周年を前にしてどのようにして活性化を図っていくべきか、頭痛の種になっています。
 我がふるさとは東北新幹線で一関駅から2時間足らずで上京できます。日帰りでも用が足ります。この利便さがかえって首都圏への人口移動が促進され、県の人口や産業等に「空洞化」が生じたのではないかと思うのです。ふるさと会もその影響を受けていることを認めながら、新たな時代感覚でこの難題に取り組まねばなりません。
 最も困難なのは会員の「ふるさと観」の違和感の是正です。是正というよりは、ふるさと観そのものの捉え方を極める必要があります。既成概念を元にしながらも若者の時代感覚をいかに取り入れていくべきか、まずは役員会で時間をかけて話し合って何らかの結論を出し、30周年を迎えるようにしたいものです。
 若者たちにも「ふるさと観」があり、それが生活や人生にどんな影響を及ぼすのかは未知の世界であろうかと思います。若者といえども少なからず我々高齢者の再体験をすることがあるはずなので、それを両者の接点にして我々は若者が生きていくための道しるべを示していく役割を担えばいいと思います。
 これも我々には遠くに「ふるさと」があるが故の贅沢な悩みと捉えておきたい。いつの日か、「ふるさと」を再学習することで、再発見し、金品には替えられない価値観を体得することを期しています。そんな「ふるさと」があることに感謝しています。