学校が「ブラック職場」に!

 教員志願者減少続く 長時間労働問題影響か  これは、きょうの朝刊(1面)の大見出しです。2018年度公立小中学校教員の受験者数は約10万5千人で、12年度の約12万2千人から約1万7千人減っています。19年度は約9万8千人でさらに落ち込んでいます。深刻な問題と捉えるべきです。

 同時に採用者は増えているため、採用試験の競争率は下がり、19年度は小学校は約2.8倍、中学校が約5.5倍でした。また、今年度の採用試験で競争倍率が最も低かったのは、小学校は新潟県1.2倍 中学校は北海道2.4倍。教委側は「教員の質に影響が出かねない」と懸念しています。

 採用試験の競争率は、2000年度は小学校は約17.5倍、中学校が約17.9倍。その後下降傾向となり、受験者の減少と相俟って下がり方が加速し、18年度は、小学校約3.2倍、中学校が約6.8倍に。約7割の教委が「やや不十本」「不十分」とし、「望ましい人材を確保するうえで十分な倍率とは言えない」と指摘しています。

 倍率低下の理由は、(1)民間企業など他業種の志願者が増えた(2)定年退職者が増えた(3)多忙であるなど教職へのイメージが低下し、受験者数が減った、などで(1)が最も多く、「教職離れ」が窺えます。

 もっと深刻な事情として、学校が「ブラック職場」というイメージで捉えられていることです。1日の平均労働時間が11時間を超え、小学校教諭の約3割、中学校教諭の約6割が「過労死ライン」に達しています。それでも日本の教職員の約8割が仕事に満足しつつも、「再就職でも教職を」と回答したのが半数あまりで、他の参加国より低かった、というデータ(OECD調査)があります。

 教職の魅力を上げるためにも国の「働き方改革」に大いに期待したい。しかも「待った無しに!」確かに大きな課題ですが、国は今まであまりにも学校あるいは教職員任せの教育に頼りすぎて、改革には「および腰」だったと思います。その「ツケ」を自業自得として謙虚に受け止め、「ブラック職場」返上の先導役を担ってほしい。

 教職員志願者の減少は我が国の教育が危機に覆われ、一刻も早く改革に取り組むよう警鐘を鳴らしている、と謙虚に捉えたいもの。

f:id:gornergrat:20190827023647j:plain

              近影!7色のポーチュラカ(再登場)